映画【GONIN】感想(ネタバレ):90年代の空気感が炸裂!豪華キャストが魅せる男たちの哀しきバイオレンスドラマ

GONIN
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●こんなお話

 5人の男たちがヤクザから金を強奪して殺し合いになる話。

●感想

 90年代の空気がぎっしり詰まった映画で、時代の雰囲気そのものが映像からにじみ出ているのが素晴らしかったです。豪華キャストがそろっているのも見どころですが、それ以上に、それぞれのキャラクターがしっかり立っていて、物語の中でちゃんと生きているのが面白さの大きな要因だったと思います。

 ディスコのオーナー、チンピラ、元刑事、サラリーマン、パンチドランカー、そして「保険きかねえからよぉ、俺たちの仕事」なんて言う殺し屋。それぞれが濃いキャラで、どれも記憶に残ります。

 わかりにくかったのは、竹中直人さんがヤクザ事務所でパスポートを一瞬見るカット。あれが後の展開につながる重要な伏線だったけど、一瞬すぎて初見では気づけなかったです。何回か見てようやく理解できた部分もありました。

 大金を奪った後の5人組の関係性も絶妙で。佐藤浩市さんと本木雅弘さんのやりとり、椎名桔平さんとナミィの関係、竹中直人さんとその家族の描写に潜むホラー的な怖さ。根津甚八さんと家族が経営するレストランで、他の客が一斉に消えるシーンの不気味さ。そして、ビートたけしさんの無言の恐怖。雨の中、スウェット姿でビニール傘をさして拳銃をぶっ放してくるあの姿は、怖いけどめちゃくちゃカッコよかったです。

 5人組が集まり、ヤクザの事務所を襲撃。その報復として仲間たちが次々に倒れていく中、最後は決着をつけるための壮絶な銃撃戦。男たちの覚悟と不器用な生き様、そして静かに燃えるかっこよさが詰まった一本だと思いました。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2009/11/14 DVD

監督石井隆 
脚本石井隆 
製作総指揮奥山和由 
出演佐藤浩市 
本木雅弘 
根津甚八 
竹中直人 
椎名桔平 
永島敏行 
鶴見辰吾 
ビートたけし 
木村一八 
室田日出男 
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