映画【海辺の映画館 キネマの玉手箱】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　日本の戦争史、大林宣彦監督の反戦メッセージが詰め込まれた話。

●感想

　ただ見ているだけでなく「お前も動け」とこちらに問いかけてくる作風がわかりやすくかつ映像ドラッグとして圧倒の3時間でした。いろんなカットやシーンが次から次に展開していって字幕やナレーションも多用していて、まさに大林宣彦作品を見ている感いっぱいでした。

　メッセージはシンプルなもだけど、映画の骨法を外した映像表現が続いて一体何が起こっているんだろう?　という未知の世界が繰り広げられて、まさにキネマの玉手箱な作品でした。そしてちゃんと歴史の勉強になるのもよかったです。

　そしてこれが監督の遺作というのがさらにこの映画を次のステージへあげていて、さらに現在の世界情勢とばっちりとはまっている時代性とのシンクロがすごかったです。付和雷同の国民性っていつの時代もそうなんだなと勉強になる作品でした。

　そして80歳過ぎたおじいちゃんがこの映画を作れるというそのバイタリティーに圧倒される映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2020/08/05　TOHOシネマズ川崎