映画【いま、殺りにゆきます】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　いろんな恐怖体験の短編の話。

●感想

　短編5本のホラー映画ですが、どれもだから何なんだろう?　というままで終わってしまうという。オチが弱かったり、オチそのものがなかったりでちょっと不完全燃焼な映画でした。

　【わたしのししゅう】
　ホームレスの詩集を買った女子高生が、日に日にホームレスが家に近づいてくることに気づいて……。

　まず、顔を隠してボロボロのホームレスの詩集をどうして買うんだろうかこの女子高生、と思ってしまうという。単純に詩集がよかったからか、それかホームレス可哀想という上から目線なのか。
　そして翌日から家にしだいに近づいてくるという展開ですが、女子高生の家までの距離感とかもわからないため。ホームレスが何をしているかわかりにくかったです。

　そして1番の問題はクライマックスでホームレスがアタックしてくるところ。
　エコーがかかりすぎて、ホームレスが何を喋ってるかわからないままで終わるという。一体何だったんだろう?

　【おまけ】
　おばあちゃんの家で古本屋でゲットして画集を見てたらそこにDVDが入っていて見たら殺人現場みたいなのが映っていて、気づいたら犯人が家の中に……な話。

　まずこのおばあちゃん家が生活感がなく廃墟みたいな家なのが凄いです。そして勝手にDVDを見てしまうものなのか。そういうリアリティが感じられないため、いくら殺人犯が家の中にいても微妙な空気になってしまうという。
　そして彼氏が家にいなかったらどうしていたんだろう?　と思ったまま終了というこれまたオチがないまま終わってしまって残念でした。

　【やあ、カタオカ!】
　出勤途中に見知らぬ男に声をかけられ拉致されて……な話。

　見知らぬ男がマシンガントークで人の話を聞かず不快な気持ちにさせてくれてお見事だと思いました。
　もうひたすら不快がそのまま持続するという。引きこもりだった男が、卒業して10年とかのどうでもいい筆箱うんぬんでクラスメイトとかを殺してしまって。

　ただこれも結局、拉致からどう脱出するのかというのを期待しているとそのまま終わってしまって不快さだけが印象にしか残らない映画でした。

　【さよなら、お～える】
　お腹痛くなって公衆トイレに入ったら、便座に接着剤つけられてて変態オジサンに追い込まれて……な話。

　お腹すぐ痛くなるボクとしては恐怖な話でした。そして、トイレットペーパーなくて、みたいな。
　んで変態オジサンにいろいろ攻撃されるんですが。トイレの前にいた忠告する女子高生もわからないし、変態オジサンがやたらと置きっぱなしにした自転車について言ってくるのは一体何だったんだという。
　ラストカットのジャングルジムに突き刺さる自転車って何の意味だったの?

　【いま、殺りにゆきます】
　帰宅途中、何者かにブラウン管テレビを投げつけられ。家に泣きながら帰ったらケータイに「いま、殺りにいきます」つう電話がはいって……な話。

　これまた拉致される話で、拉致ものが2本入っているというかぶっちゃってインパクトに欠けてしまいました。
　そして謎の男に襲われますが、その理由もストーカー男との過去の話になってしまって、最初の不条理感がなくなってしまって大して新鮮味がないまま終了でした。

　どの話もツカミは面白く興味深く見ることができましたが、しだいに尻つぼみになっていって結局、何の話だったんだろう?　というまま終わってしまう映画でした。

☆☆

鑑賞日:2013/08/28　DVD