映画【密告・者】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　犯罪組織に潜入して警察に情報を渡す密告者の話。

●感想

　刑事の主人公が密告者の協力で犯罪組織を逮捕しようとするけれど、密告者の正体が犯罪組織にバレて密告者が障害を負う重傷を負ってしまう。密告者を使う警察という仕事に主人公の刑事さんは悩んだりするけれど、1年後、台湾からやってきた銀行強盗犯を捕まえるために密告者を使うことにする。　

　この冒頭のツカミのアクションで、刑事が潜入させていた密告者の正体がバレてマチェーテみたいなのでザックザクに斬られるショッキングなオープニングから始まります。斬られてもなかなか死なずに、何度も何度も斬られる姿は痛々しくて凄かったです。
　このアバンで主人公が密告者に対して罪の心を持ったことを説明して、宝石強盗のボスを捕まえるために唯一の肉親である妹が借金で売春婦になったのを救いたい男がニコラス・ツェーで、彼を密告者にして潜入させます。

　この男がドライビングテクニックが凄くて雇われて宝石強盗シークエンスやカーチェイスなんかも映像的に迫力あってよかったです。グイ・ルンメイ演じるボスの愛人である女性と出会いますが、彼女と一気に恋に落ちていきますが。ここの動機が少し弱かったと思います。昔から何か知っていたのかと思いきや、ただ街で逃げてたときにすれ違っただけという理由。それに刑事と奥さんとの関係も少ししか描かれなくて、刑事が冒頭の仕事に嫌気がさして勢いで行きずりの女性と寝てしまって、それが原因で梅毒になり奥さんにも感染して、それきっかけで自殺未遂したりという回想が入ったり、後半に刑事が心を破壊される出来事が起こりますが、奥さんとの関係もあまり描かれてないので特に何にも思うことはなかったです。この刑事と奥さんの話は余計なエピソードに感じました。

　主人公は密告者の命の危険と捜査の進行とどっちが大事なのかという選択をしなくてはいけない悩みが設定されてますが、刑事と密告者の友情的な展開もあまりなかったのでクライマックスの壮絶なアクションシーンもいまいち盛り上がらなかったです。下手な恋愛に動くより、犯人を捕まえるか密告者の命かを悩む映画が見たかったです。

　そして犯罪組織が荒い金塊強盗をして、その金塊を巡ってヒロインが横取りしようとしたのをきっかけに密告者との逃避行になり、撃たれて瀕死の重傷を負ってしまう。その後も隠れ家に犯罪組織が襲撃して逃げるクライマックス。廃校みたいなところが机や椅子が山盛りにあるビジュアルとか面白かったです。そこでもマチェーテみたいなのでザッグザッグ刺されて痛いシーンでした。そしてあまりにも密告者にとって辛いエンディング。刑事さんもヒロインも辛いままでダークな映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/11/20　DVD　2021/11/19　NETFLIX