映画【台風家族】感想(ネタバレ):YouTuber末っ子や遺産争い、家族の絆が深まる舞台劇風コメディ映画

●こんなお話

　父親の死をきっかけに集まった子供たちが遺産で揉め始める話。

●感想

　冒頭、父親が銀行強盗を犯し、その加害者の家族として子どもたちにマスコミが殺到する場面から始まり、何が起こっているのかという興味を一気に掴む良いスタートでした。そこから物語は舞台劇のようにほとんどが1つの家の中で展開されます。コメディ要素満載で、ありえない展開が次々と起こりますが、それがかえって物語の流れに勢いをつけ、100分間飽きることなく楽しめました。

　銀行強盗後、両親は失踪したまま10年が経過し、葬式のために家族が集まると遺産をめぐって揉め始める。長男は遺産を多く取ろうと固執し、弟や妹たちと口論が絶えない。末っ子はYouTuberとして配信したりと、展開は現実では考えにくいけれど、映画の中では自然に感じられました。クライマックスで両親の行方が判明するシーンは現実離れしていますが、映画内のリアリティとしては説得力がありました。

　揉め事が続く中、新たな登場人物が現れ、新たな情報も入ってくる。母親は認知症を患い、父親が介護していたこと。さらに、オレオレ詐欺にも遭っていたことなどが明かされていく。両親の居場所が判明することで、バラバラだった家族が少しずつ再生していく様子が描かれる。

　子どもたちのドタバタ劇は単純に楽しく、コメディ映画として十分に面白かったです。

☆☆☆☆

鑑賞日:2020/04/30　DVD