映画【6月6日】感想(ネタバレ):生まれ変わりながら戦い続ける宿命の2人を描いたSF時代劇アクション

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●こんなお話

 江戸時代から太平洋戦争末期、現代、近未来、遠い未来までの6月6日を輪廻転生で生まれ変わった2人の戦いを5人の監督が6つのエピソードにしたオムニバス映画。

●感想

 江戸時代から太平洋戦争末期、現代、近未来、そして遥か未来の2495年まで、同じ日に何度も生まれ変わり、戦い続ける宿命を背負った2人の物語を描いた作品で。6月6日という日を軸に、5人の監督が6つの短編エピソードを手がけ、それぞれの時代背景で2人が再び対峙していく構成になっていました。

 最初のエピソードは侍同士の殺陣で幕を開ける。刀と魂がぶつかり合う時代劇らしい緊張感があり、そこから各時代ごとに舞台が変化しながら、戦争、現代の喧騒、ディストピア的な近未来、そして人類と異星人が激突するようなSF的世界観へと広がっていく。最終話となる2495年のパートはオールCGで構成され、未来編2作はビジュアル的に見どころが多く、個人的には特に楽しめました。

 ただ、オムニバス形式ゆえに1つのエピソードが15分から20分ほどと短く、キャラクターの背景や感情、宿命の重さが十分に描ききれない点はやや惜しいです。アクション中心の展開にすぐ移行してしまうため、「なぜこの2人が戦うのか」「なぜ生まれ変わってまで対峙するのか」という核心がやや伝わりにくい思いました。結果として、「知らないキャラが戦っているように見えてしまう」印象を受けてしまいます。

 とはいえ、時代ごとに大きく異なる世界観を持ったバトルが次々に展開されるため、視覚的には常に新鮮で。江戸から未来まで、限られた予算の中でここまでジャンルと時代を横断する映像体験を作り上げたのは非常に面白い試みだと思います。とくにCGを駆使した未来編は、日本映画ではあまり見られないスケール感とスタイルが感じられ、映像だけでも観る価値があると思いました。

 侍からエイリアンまで、ジャンルの壁を越えて描かれる輪廻転生の戦い。もっと長尺で見てみたくなる設定で、続編や拡張版があれば化けるかもしれないと感じる1本でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/04/06 DVD

監督柏原寛司:(「EPISODE0 プロローグ」「EPISODE1 待つ男」)
石井良和:(「EPISODE2 密命」)
原隆仁:(「EPISODE3 あと15分」)
室賀厚:(「EPISODE4 世界は二人を待っている」「EPISODE5 一匹でも多くのブタを殺せ!」)
石田肇:(「EPISODE6 ザ・デッド・プラネット 死せる惑星」)
脚本安藤ゆき:(「EPISODE0 プロローグ」「EPISODE3 あと15分」)
前島正樹:(「EPISODE1 待つ男」)
柏原寛司:(「EPISODE1 待つ男」)
金山桂介:(「EPISODE2 密命」)
大嶺良介:(「EPISODE2 密命」)
石井良和:(「EPISODE2 密命」)
室賀厚:(「EPISODE4 世界は二人を待っている」)
松鹿法子:(「EPISODE5 一匹でも多くのブタを殺せ!」)
石田肇: (「EPISODE6 ザ・デッド・プラネット 死せる惑星」)
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