映画【野獣死すべし(1980)】感想(ネタバレ)

Yajû shisubeshi (1980)
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●こんなお話

 1人の男が日本社会の犯罪に挑む話。

●感想

 冒頭、大雨の中、刑事ともみ合うのをずっと引きの映像で見せていって、この映像から一気に引き込まれるもので凄いです。
 主人公の伊達を演じる松田優作さんは、スマートに見えるけど。全部うまいこといかなくて、もみくちゃになりながら戦ったり殺人も次々に起こしていっちゃいます。

 序盤30分は結構退屈で、クラシックを延々と聞いているような感覚でした。面白くなるのは鹿賀丈史さん演じる真田が登場してからで。この真田、めちゃくちゃ怖いです。
 そして二人で銀行強盗をしようと計画する。真田を特訓する伊達。そこで伊達は真田の女を殺害するように命令しますが、その後の伊達の長台詞。ものすごいことになってます。
 この映画全体、長廻しが多くて。その力強さの映像に狂気的な役者さんの芝居で見ててクラクラしてきます。伊達が銀行強盗したときにヒロインを見つけたときのスローモーションの美しいこと。
 
 更に凄いのは、何と言っても追いかけてきた室田日出男さん演じる刑事さんとの会話。
 ここの恐怖、圧力ったらなくて。松田優作さんも凄いし、拳銃を向けられる室田日出男さんも凄いことになってます。あの汗の流れるタイミングとかどうやってるのか。

 その後の更に狂気を増した伊達は、レイプする真田に対しても長回しの長台詞。
 そして最後のクラシック会場のオチ。この映画、ついていけないっす。それなのに、この圧力。
 名場面がたくさんあって、それを見るだけでも価値がある映画で素晴らしかったです。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2013/04/19 Hulu

監督村川透 
脚本丸山昇一 
原作大藪春彦 
製作角川春樹 
出演松田優作 
小林麻美 
室田日出男 
根岸季衣 
風間杜夫 
岩城滉一 
泉谷しげる 
前野曜子 
佐藤慶 
青木義朗 
鹿賀丈史 
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