映画【PicNic】感想(ネタバレ)

Pikunikku (1996)
スポンサーリンク

●こんなお話

 心の病を抱えた若者たちの冒険の話。

●感想

 日本ではないような独特な不思議な映像、寓話のような世界観で彩られていて印象に残る作品でした。
 
 物語の舞台は精神病院で、そこにやってくる少女。その精神病院は廃墟のような場所で、そこに埋め尽くされた白い服を着た患者たち。
 その構図を1カット見るだけで惹きつけられてしまう吸引力の映像。

 性的なシーンや気持ちの悪いシーンも多く、なおかつ話も岩井監督作品らしい鬱的な内容で重たいです。浅野忠信さん演じる患者が見る「先生」と呼ばれる幻覚の気持ち悪さ、そして首の骨が折れて、その状態のまま……。のトコとかへこみます。
 だいたい登場人物たちが「世界の終わりを見に行こう」と病院を抜けだすというもの。
 そして探検の旅へと向かいますが、塀の上しか歩かないというルールがあるため。世界観の構築が更にかっちりとハマって日本ではない空気になっていて、どんどんと惹きつけられる映画でした。
 「塀の上ならいいんでしょ」と病院を抜け出す主人公。音楽も素晴らしかったです。

 物語を見ていると、主人公2人は罪を背負っていることがわかります。
 その罪にどう向き合うのか。1人は神様を信じず十字架を背負い苦しんでいる。1人は全くの無垢なる者として存在しています。

 そしてラストの少女が取る行動。何でそんなに刹那的、他人に対してそんな簡単にあんな行動ができるのか。ボクは泣きそうになり、強烈な印象を残してくれる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/04/11 DVD

監督岩井俊二 
脚本岩井俊二 
出演Chara 
浅野忠信 
橋爪浩一 
鈴木慶一 
伊藤かずえ 
六平直政 
タイトルとURLをコピーしました