映画【座頭市海を渡る】感想(ネタバレ)

Zatoichi's Pilgrimage
スポンサーリンク

●こんなお話

 たくさんの人を斬った市が贖罪のために四国八十八箇所を巡るたびをする中、出会った女性のために戦う市の話。

●感想

 新藤脚本らしい気持ちの台詞まわし。今回、面白く感じたのは、座頭市と悪党を争わせる百姓たちの存在で「弱い百姓だしね、暴力は暴力を生むだけだから」と市が戦うことを促してもやる気を出さない。けれど「座頭市にやってもらいましょう」と両者を争わせるずる賢さ。
 クライマックスでヒロインが1人で戦う市を観て百姓たちに「どうして戦わないの? 市さん死んじゃう」と言っても誰も出てこない。

 悪党たちが馬で村にやってきて牛耳ろうとして、クライマックスは人気のない宿場町で青い空に埃舞う中での殺陣というのは思い切り西部劇のような映像でカッコよかったです。

 けれど、ちょっと序盤の展開が長ったらしく思えました。ひたすら階段を登る市だったり、遠くから手前に向かって歩くだけだったり、望遠の景色や顔のアップなんかを延々と映されても何も進展しない印象を受けてしまいます。それに、最後に飛び出す若者に見せ場もなくすぐにやられてしまうってのもガッカリでした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/03/25 DVD

監督池広一夫 
脚色新藤兼人 
原作子母沢寛 
出演勝新太郎 
安田道代 
五味龍太郎 
千波丈太郎 
東野孝彦 
井川比佐志 
田中邦衛 
三島雅夫 
山形勲 
タイトルとURLをコピーしました