映画【ホースメン】感想(ネタバレ):『拷問装置×黙示録カルト』の異色クライムスリラー

HORSEMEN
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●こんなお話

 連続猟奇殺人が起こって、それを捜査する刑事さんの話。

●感想

 本作の主人公は、妻を亡くし、二人の息子と共に暮らしている刑事。しかし、仕事に追われるあまり、息子たちとの関係はうまくいっていない様子。

 ある日、歯がすべて抜き取られた遺体が発見され、主人公がこの事件の捜査を担当することになります。その後も立て続けに猟奇的な殺人事件が発生し、主人公は被害者家族の養子である女性と知り合います。

 やがてこの女性は、かつて自分の母親を殺害したことを自ら告白し、警察に出頭。さらに彼女は、単独犯ではなく黙示録を信奉する複数の加害者グループによる連続犯行だったことを明かします。

 劇中では、兄にゲイであることを侮辱されていた弟が登場し、ある男性を刺した後に自殺するなど、重く暗い人間模様が描かれていきます。こうした出来事を追う中で、主人公は最初の被害者が聖書に基づく殺人ではなかったことに気づき、養子の女性を問い詰めます。すると、彼女もすでに加害者グループの一人に殺害されていたことが判明し、次の標的が誰なのかが分からなくなります。

 その後、主人公の息子たちが次のターゲットであると突き止め、急いで彼らのもとへ向かいますが、何者かに襲われて意識を失ってしまいます。目を覚ました主人公の目の前には、拷問装置に囚われている息子の姿があり、何とか救出に成功しておしまい。

 本作では、非常に凝った拷問装置や殺人トラップが登場しますが、それらがどのように設置され、誰がどうやって準備していたのかという点に関する説明がほとんどなく、観ていて疑問が残りました。大掛かりな装置が人知れず設置されているという設定にも、リアリティの面でやや説得力を欠いていたように感じます。

 また、チャン・ツィイー演じるサイコパスの女性の演技も、ややテンプレート的で深みを感じにくく、印象に残りにくいものでした。

 さらに、主人公が歯科の知識を持っているという設定も、序盤とラストに少し触れられるのみで、本筋にはさほど関与せず、やや活かしきれていなかった印象です。

 全体として、重厚なテーマを扱いながらも、物語や設定の掘り下げが不十分で、どこかぼんやりとした印象のまま終わってしまった作品でした。

☆☆

鑑賞日:2010/02/11 DVD 2024/11/04 U-NEXT

監督ジョナス・アカーランド 
脚本デヴィッド・キャラハム 
製作総指揮テッド・フィールド 
ジョー・ドレイク 
ネイサン・カヘイン 
ジョー・ローゼンバーグ 
製作マイケル・ベイ 
出演デニス・クエイド 
チャン・ツィイー 
ルー・テイラー・プッチ 
チェルシー・ロス 
クリフトン・コリンズJr. 
パトリック・フュジット 
パリー・シャバカ・ヘンリー 
エリック・バルフォー 
ポール・ドゥーリイ 
ピーター・ストーメア 
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