●こんなお話
はるか昔に地球に墜落してきたロボット型エイリアンの良いもんと悪いもんがエネルギー源のキューブというものを巡って戦う話。
●感想
変形するロボットたちによる、これでもかという迫力のバトルがひたすら繰り広げられる、まさに一点突破のような映画でした。とにかく目まぐるしい展開と映像で、ガチャガチャと細かく動くメカが車からロボットに変形するシーンなど、無条件にテンションが上がる瞬間が次々にやってきます。
登場人物も多彩で、モテない学生、セクシーなヒロイン、頼れる軍人たち、そして天才ハッカーたちが「キューブ」と呼ばれる重要アイテムを巡って動きまわる。ただ、物語がごちゃつきすぎていて、誰が主人公なのか途中でわからなくなるくらい複雑。
物語は、まずカタールの米軍基地が謎のロボットに襲撃されて始まり、生き残った兵士たちの奮闘が描かれる。その一方で、学生が車を買おうとする日常パートが並行して進み、その車が実は意志を持った異星人だったことで騒動がスタート。ハッカーたちは世界中のネットワークを駆使して、異星人に関する情報を探る。これらの展開が同時進行で描かれ、ひとつひとつは見応えがあるものの、情報量の多さに圧倒されます。
やがて、主人公が異星人と仲間になり、祖先が北極で発見したメガネにキューブの座標が記されているという展開に。悪の異星人たちはこのキューブを使ってあらゆる機械を異星人化し、人類を滅ぼそうとしてくる。登場人物たちはここでやっと合流し、ひとつの目的に向かって動き出しますが、そこに至るまでの流れが非常に長く、途中で何をしているのか分からなくなってくるほどの情報量と展開の多さでした。
ハッカーがデータを盗んで仲間の家で解析するというだけの場面に、ゲームをしながら怒鳴りあうやり取りや、FBIの突入による大騒ぎが続き、テンポが悪く感じました。また、主人公が異星人たちと信頼を築いたと思ったら秘密組織に捕まってしまい、再び助け出されてまた攻撃されて……と、何度も行ったり来たりする展開も多かったです。
秘密のダムに氷漬けにされた異星人が眠っているのに、敵があっさり潜入して彼を解凍してしまうなど、あまりにも警備がゆるすぎて脱力したりしつつ。さらに、キューブが小さくなって近くの町に運ばれ、なぜかそこで大規模な戦闘が起き、一般人を巻き込むなど、主人公たちの行動にも疑問が残る部分は多かったです。
とはいえ、街中で巨大ロボット同士がぶん殴りあうシーンは明るく映像も鮮明で、キャラクターたちが怒鳴りあいながら爆音の中で戦うシーンは、ある意味でドラッグのような高揚感があり、見ているうちにだんだんハイになってくる不思議な体験。
敵のボスの倒し方が「胸にキューブを掲げたら倒せた」という唐突すぎる終わり方で、盛り上がったわりにカタルシスが薄かったのは少し残念でした。それでも、美しい女性キャラ、かっこいい兵器、魅力的な車がこれでもかと詰め込まれていて、娯楽としては文句なく楽しめる作品でした。
☆☆☆
鑑賞日:2014/04/05 Blu-ray 2021/04/27 NETFLIX
監督 | マイケル・ベイ |
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脚本 | ロベルト・オーチー |
アレックス・カーツマン |
出演 | シャイア・ラブーフ |
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タイリース・ギブソン | |
ジョシュ・デュアメル | |
アンソニー・アンダーソン | |
レイチェル・テイラー | |
ミーガン・フォックス | |
ジョン・タトゥーロ | |
ジョン・ヴォイト |