映画【図書館戦争】感想(ネタバレ)

toshokan-sensou
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●こんなお話

 読書の自由のために戦う人たちの話。

●感想

 「メディア良化法」という法律がある世界の日本で、本を守るために戦う図書隊。その図書隊に学生時代に救われた主人公の女性が自ら図書隊に入隊して鬼教官やエリートの同期と喧嘩しながら成長していく様子を描いていきます。

 この主人公が入隊するまでのアバンタイトルは、主人公の気持ちと同様ワクワクしてこの映画の世界に入り込むことができるスタートで最高でした。
 その後も軍隊としては【兵隊やくざ】の勝新のような主人公で、上官に蹴りをいれたりして無茶苦茶です。榮倉奈々さん自らのキャラクターもあわさってイマドキの女の子といったキャラクターでよかったです。

 図書隊の厳しい訓練や日常を描き中盤から良化隊とよばれるカタキ役との戦闘になっていきますが、この戦闘シーンの迫力たるや凄いもので【アラモ砦の戦い】や【要塞警察】のような籠城戦のシークエンスは熱くなること間違いないです。クライマックスには更に岡田クンの見た事のないような動きのアクションの数々。

 榮倉奈々さんは自分を救ってくれた王子様を探しそして王子様を目指すために成長する。というわかりやすい目標がありますが。岡田准一さんは、ずっと怒ってるだけでアクション担当になってしまって魅力があまり感じられなかったのが残念です。とはいえそのアクションがとんでもない迫力になってるのが凄いですが。

 が、それだけ素晴らしいアクションシーンが配置されていて感動できましたが。そもそも図書隊って何? 良化隊って何? とこの映画の根本の設定がわからず、どうして本を奪い合うために日本人同士が戦争をしているのかがわかりません。軍人とメディアが出てきますが、一般市民が出てこないため。この人たちが本を守るという行為が本の先にある一般市民たちを守るという風に見せないと、せっかくの迫力ある戦闘シーンの盛り上がりが心とシンクロしないのが痛いです。本を奪われるということが、どれほど酷いことなのかというのを描いてからの図書隊の活躍を見せてくれないと、全く関係のない人たちが関係のない戦いをしているという風に見てしまいます。だから、殺し合いをして市民たちの日常生活に影響はないのだろうか? 警察は何してるの? 自衛隊はこの世界にはいないの? とかどうでもいいことが気になってしまいました。

 とはいえ、この図書隊の活躍をまだまだ見てみたい映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2013/04/22 試写会

監督佐藤信介 
脚本野木亜紀子 
原作有川浩
出演岡田准一 
榮倉奈々 
田中圭 
福士蒼汰 
西田尚美 
橋本じゅん 
栗山千明 
石坂浩二 
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