映画【真実(2019)】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 フランスの大女優とその娘さん一家が新作の撮影現場と実家を往復しつつ母娘が意地の張り合いや関係修復したりする話。

●感想

 日本人が考えるフランスっぽさやフランス人ぽさが全面に出ていて、画面としてわかりやすい動きがないのに100分間、フランスの大女優役を本当の大女優のカトリーヌ・ドヌーブさんパワーで魅せていて、本人役なのではないかと感じてしまうハマりっぷりが凄かったです。

 自伝本を出したけど、娘からしたら本当のことが書かれていないのが不満だったり。長年仕えてきた召使さん的な人も自分のことが書かれていないのでやる気なくしている状況が描かれて、新作のSF映画に突入してその撮影現場と家の往復の中で、しだいに大女優さんの気持ちが明らかになっていく構成で、映っているフランスの景色もそこで描かれる風俗も日本人からみると興味深くてそれを見られるだけでもよかったです。これが是枝作品常連の樹木希林さんとかだといくら大女優役でも樹木希林さんのイメージがついているため、カトリーヌ・ドヌーブさんのようないかにも大女優です! 感なものではないので、是枝監督作品がフランス映画とバッチリあっていると思いました。

 ただわかりやすいハリウッドのアクション映画とかが好きな自分から見ると、やっぱり屋敷と映画撮影現場しか出てこなくて、しかもずっと母と娘や旦那さんや孫娘が会話をしているだけなので、個人的な好みとしては退屈に感じてしまいました。そのため主人公の母娘よりも娘の旦那さん役のイーサン・ホークさんが出てくると安心してみてしまって、そこに面白みを感じながら見ていました。母と娘とは違うところでのんきにしている部外者感がよかったです。

 大女優さんが意識しているというもう亡くなった女優さんが映画を見ていると姉か妹なのかな? と思ってしまいますが、どうやら違っていて、どういう立場なのかがフランス文化を知らないとわかりにくかったりするのも入りこない要素の1つでした。

 とはいえ、是枝監督が劇中劇で描く親子の年齢が逆転していくSF映画とかもフレッシュな設定で面白かったり。何気に豪華キャストでそれを見られるだけでも満足感が得られる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2019/10/16 109シネマズ川崎

監督是枝裕和 
脚本是枝裕和 
原案是枝裕和
出演カトリーヌ・ドヌーヴ 
ジュリエット・ビノシュ 
イーサン・ホーク 
リュディヴィーヌ・サニエ 
クレモンティーヌ・グルニエ 
マノン・クラヴェル 
アラン・リボル 
クリスチャン・クラエ 
ロジェ・ヴァン・オール 

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