映画【トゥモロー・ウォー】感想(ネタバレ):未来からの招集で人類救出!ハチャメチャSF戦争映画が映像もテンションも爆発

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●こんなお話

 未来人から人類絶滅の危機の戦争してるってんで、現代人が未来の戦争に殴り込みに行く話。

●感想

 未来からやってきた人類の使者が「人類が絶滅寸前です、先輩たち助けてください」と突然現れ、主人公たち現代人が未来の戦争に駆り出されるという導入は、笑えてインパクトも抜群。しかも敵がどんな存在なのか、詳しくは教えてくれないというざっくりした展開が逆にユーモアになっていて、この世界観にスッと入れました。 

 物語の本筋である未来での戦いは、ハリウッドらしいド派手な映像が炸裂するミリタリーSFアクションの真骨頂。大量の敵に囲まれながらの銃撃戦、爆破、仲間との連携プレイが目まぐるしく展開していき、アクション映画としては大いに満足できる内容でした。

 ただ、敵となるエイリアンの造形や設定にはそこまで新しさを感じず。エイリアンとの初接触シーンや毒のサンプルを取るための作戦など、過去の同ジャンル作品でもよく見かける展開が多く、映像の派手さに比べるとストーリー部分は既視感の強さが否めなかったと思います。とはいえ、ある意味で“様式美”として安心して見られるタイプの作品ではありました。

 三幕目に入ると話は急展開し、なぜか主人公たちがロシアの氷河地帯に数人だけで潜入するという無茶ぶりミッションがスタート。いきなり飛行機でロシアへ飛び、そこでエイリアンとの戦闘へ突入。映像的には迫力満点でしたが、仲間たちが突然の自己犠牲で次々に自爆していく展開には感情が追いつかず、やや置いてけぼりを食った気分になりました。クライマックスでは、なぜか主人公とその父親の“親子の絆”が主軸となり、たった二人でボス格のエイリアンと戦う展開になるのだが、感情的な盛り上がりには少し欠けていました。

 また、エイリアンを倒す手段がピッケルやナイフだったりして、「それで倒せるならもっとやりようがあったのでは…?」というツッコミどころも多く、仲間の一人が途中でフェードアウトして行方不明になってしまうなど、詰めの甘さも気になったり。

 とはいえ、物語の後半で主人公の妻や娘、さらには学生たちが急に「エイリアンの発生地はここだ!」と推測して白頭山噴火と結びつけるくだりなど、身近な人たちが世界を救うカギを握っているというご都合主義も、映画としてのエンタメ感を支えていたように思います。人とのつながりの大切さをさりげなく伝える内容としては、むしろ好感を持てました。 

 総じて、ストーリーにツッコミどころは多いものの、映像の迫力とスケール感は申し分なく、“なんだかんだ最後まで楽しんでしまう”タイプのSF大作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2021/07/04 Amaoznプライム・ビデオ

監督クリス・マッケイ
脚本ザック・ディーン
出演クリス・プラット
イヴォンヌ・ストラホフスキー
ベティ・ギルピン
メアリー・リン・ライスカブ
セイチェル・ガブリエル
サム・リチャードソン
エドウィン・ホッジ
J・K・シモンズ
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