●こんなお話
ギャングの売り上げを徴収する係の主人公が親分が変わってピンチになる話。
●感想
主人公は相棒と共に、ギャングの“税金”を回収する日々を送っている。家庭では妻と子どもに恵まれ、信仰心を大切にする姿も描かれる。しかし、仕事となれば緊張感は途切れない。少しでも金額が足りなければすぐにボスから電話が入り、冷や汗をかく日常。
あるとき、支払いを渋る者のもとへ再び訪れると「娘が白血病で金がない」と訴えられる。相棒は容赦なく取り立てようとするが、主人公はその言葉に心を動かされ、見逃す判断をする。冷酷さの中に垣間見える優しさが印象的な場面。
そんな折、回収現場に現れたのは見知らぬ新興勢力の男。彼は「今後は俺たちが仕切る。忠誠を誓え」と迫る。主人公たちは拒絶し、抗争の火蓋が切って落とされる。やがて親分の首だけが送りつけられ、恐怖の連鎖が始まる。さらに仲間や相棒までもが襲撃され、拷問の末に殺されてしまう。
家族と逃亡を図る主人公だが、妻は殺され、子どもたちも誘拐されるという悲劇に直面する。絶望の中、別の組織に助力を求め、敵のアジトに単身乗り込む。銃弾飛び交う中で子どもを救い出し、最後は敵ボスの屋敷へ突入。壮絶な戦いの末、首謀者を討ち取り物語は決着を迎える。
物語の多くは主人公と相棒が車内で交わす会話で占められ、そこから日常や心情が描かれていく。しかし、そのやり取りは冗長で、展開の緊張感を削いでしまう部分もありました。銃撃戦やアクションシーンも盛り上がりに欠け、せっかくの抗争劇としての見応えが薄く感じられます。特に敵対勢力は序盤では恐怖の象徴のように描かれるものの、終盤はあっけなく崩壊してしまい、その落差に驚かされました。
また、主人公の信仰心がたびたび描写されるものの、それが物語にどう結びついているのかは曖昧で、主題性を強く感じることはできませんでした。全体として、主人公の取り立ての日々、相棒との語らい、抗争の行方を淡々と追っていく作品でした。
☆☆
鑑賞日:2022/12/21 NETFLIX
監督 | デヴィッド・エアー |
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脚本 | デヴィッド・エアー |
出演 | ボビー・ソト |
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シャイア・ラブーフ | |
シンシア・カルモナ | |
ジョージ・ロペス | |
ラナ・パーリラ |