●こんなお話
雪に閉ざされたホテルで管理人をすることになった作家さんがどんどんおかしくなって家族に飢餓を加えようとする話。
●感想
何と言っても移動撮影の見事さが最初から最後まで独特の雰囲気を出していて最高でした。
冒頭、空撮で美しい牧歌的な風景から主人公の作家がホテルの管理人の面接を受けるまで、ホテルに入ってくるところから、ずっーとカメラが横移動して主人公を追いかけるところから始まり、クライマックスまで常に動いてるカメラが怖さを醸し出していたと思います。
幾何学模様の迷路を真上から撮った映像や子どもが三輪車でホテルの中を走るのを延々と追いかけたり、左右対称の模様のホテルのロビーでタイピングする主人公など。素敵な映像が盛りだくさんで凄いです。
冬は閉鎖されたホテルで家族3人で管理人をする仕事をするけど、ホテルがどこか異常な雰囲気。特に息子は昔殺された双子の少女を目撃したりして。ホテルの従業員の黒人のおじさんは息子と同じ超能力【シャイニング】の持ち主で息子さんを心配する。
主人公の作家は静かな環境で新作を書いてるけど、おそらく書けない。けど家族を養わないといけない。そのプレッシャー。書けないから、ずっと壁投げをしたりして。
しだいにホテルの幽霊が見え始めておかしくなっていく。
役者さんたちも素晴らしくて、ジャック・ニコルソンさんは日常の最初から怖いという。そして奥さんのシェリー・デュヴァルさんの後半から特に息子が空想の友だちになってしまったあたりから、そして作家が何をタイピングしてたのかがわかるところで一気に爆発するリアクション。ずーっと泣いてるそのテンションが凄いです。どうやったらあんなに精神的に追い詰められた表情ができるのか。
そして息子さんも可愛いのに、「レッドラァム」の怖さったらないです。てか、息子さんそこまでわかってるんだったら。もっと直接教えてやれよと。
クライマックスは奥さんはお化け大集合になっていて物凄いことになってるし、主人公も目がイッちゃって狂気になって歩きまわってるし、音楽めちゃくちゃ怖いし出血大サービスでした。
ただ主人公の作家が異常な状態になるのが結構早くて、もう少し作家としての苦悩みたいなのに悩んでからプレッシャーに追い込まれていくという描写があってもよかったのかなとも思いました。そして心配してやってきた従業員のおじさんあっけなさすぎではなかろうかと。雪上車を運ぶためだけの役にしか見えなかったです。
とはいえ、死んでもなおホテルの写真に残りこれからもホテルにやってくる人を苦しめるであろうという未来に圧倒的映像美と主人公一家3人の熱演の120分、楽しかったです。
☆☆☆☆☆
鑑賞日: 2013/06/19 Hulu
監督 | スタンリー・キューブリック |
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脚色 | スタンリー・キューブリック |
ダイアン・ジョンソン | |
原作 | スティーヴン・キング |
出演 | ジャック・ニコルソン |
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シェリー・デュヴァル | |
ダニー・ロイド | |
スキャットマン・クローザース | |
バリー・ネルソン | |
フィリップ・ストーン |
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