映画【女神の継承】感想(ネタバレ)

THE MEDIUM
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●こんなお話

 祈祷師一族を取材する人たちが祈禱師一族に起こる恐怖体験を撮影する話。

●感想

 祈禱師の女性の取材から始まるところから始まり、その祈禱師の姉の旦那さんのお葬式に行くところから始まり、姉の娘さんが親戚をぶん殴ったり。職場で体調不良になったり。祈禱師の跡取りとして姉がなるはずだったのに断ったからデザインの学校に通っていたのをあきらめて妹が祈禱師となる歴史が語られたり。不審死する親族がいろいろいたり。娘さんが職場で奇行が激しくなり首になったりして大変という。

 祈祷師は自殺した男性の例の仕業ではないのかと考え雨にも負けず風にも負けず男性が自殺した場所でお祈りするけど、卵を割ったら真っ黒で「違ったかも」との推理ミスで別の悪霊の存在を察したりして。祈禱師の師匠に除霊を頼んでその儀式まで時間がかかるとのことで、それまでの7日間で娘さんがおかしな行動の数々、飼い犬を殺して食べちゃったり。赤ちゃんを誘拐してどっか行っちゃったり、しげみから襲い掛かってきたり。

 そして儀式当日に祈祷師が何人も集まるけど、みんなおかしくなって自殺したりビースト化して撮影班に襲い掛かってきて怖いという。おうちでは監禁されてた娘さんが襲ってきてこっちも怖いという見せ場。そして誰もいなくなったな終わり。

 クライマックスの除霊の儀式が起こってからのジェノサイドはホラー映画のジャンルものとして楽しく、ゾンビものであり撮影している人たちが襲われる恐怖を一緒に体験できるものになっていると思いました。

 ただ130分と上映時間が長く、取材班が舞台となる村の祈禱師一族の紹介があり、不幸な出来事があったらしいとか娘さんが何やら憑りつかれて奇行の連続。いよいよ激しくなっておうちの中を夜な夜なかくかくした動きで監視カメラに映っている姿。【パラノーマルアクティビティ】的な表現が続きます。正直、この儀式7日前からの監視カメラの映像の繰りかえしの恐怖映像は新鮮さは特になく淡々と過ぎていきました。そこで家族がその映像を見て「もう一緒に住めない」と言っている割には次の夜には熟睡しているという。それに娘さんの家にカギをつけたのに普通に歩きまわるゆるゆるの警備体制。娘さんをもっと監禁するとか病院に入れるとか方法ないのかなとタイの事情を考えてしまったり。そもそも撮影班が何人いてどういう気持ちで撮影しているのかとわからないので襲われても何のエモーションが動かされることがなかったのは残念です。

 POV方式の弱点である危機的状況なのに撮影しているという突っ込見どころは本作でも強調されていて、みんな叫びながら逃げながらも対象物をしっかり映してくれて、その度に盛り下がってしまいました。

 それに恐怖体験が起こるクライマックスまでは祈禱師一族の歴史や娘さんの奇行の数々で引っ張るのですが、これがなかなか眠くなる構成で退屈で、悪霊に憑りつかれて口が悪くなって態度が悪くなってというのも新鮮さがなく、かくかくして動くのももうコメディの対象として見てしまう映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/08/14 丸の内ピカデリー

監督バンジョン・ピサンタナクーン 
脚本バンジョン・ピサンタナクーン 
原案ナ・ホンジン 
チェ・チャウォン 
出演サワニー・ウトーンマ 
ナリルヤ・グルモンコルペチ 
シラニ・ヤンキッティカン 
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