映画【英霊たちの応援歌 最後の早慶戦】感想(ネタバレ)

The Last Game
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●こんなお話

 昭和18年10月16日に戸塚球場で行なわれた最後の早慶戦の後、出陣学徒として散華していった若者たちの話。

●感想

 戦局の悪化とともに学徒出陣となって野球部は敵のスポーツだと向かい風が激しくもう試合ができなくなり、最後に早慶戦をやる。
 という前半30分。そこからチームメイトたちが軍隊に入ってどうなっていくのかという群像劇になっていきます。

 1日でも野球をしていたい落語をしていたいなど、それぞれの登場人物たちが所属していた部活の思いをこめながら笑顔で過ごす毎日がものすごく悲しいです。なぜそこまで明るい笑顔でいられるのか。銀座の絵地図を黒板に書いて「あそこに何のお店があった」と思い出しながら書いていき、1つだけ思い出せないお店がある。それを特攻隊出撃の直前に思い出して「わかったー!」と笑顔になる姿なんかは辛すぎてみていられないです。
 あまりにも明るく楽しく生きているので普通に楽しい気持ちで見てしまいます。そんな普通に生きていた若者たちが特攻で死んでいく。戦闘シーンは米軍の記録フィルムが挿入されるので、それが余計に怖いという。撃ち落とされて燃え落ちる戦闘機に若者たちが乗っていたんだと、その戦争の実感。

 厳しい訓練をして殴られながら成長していき、故郷には恋人もいたりして。それでいて、淡々と死んでいく。感動させようとか盛り上げようという死ではなくて、当たり前のようにさっきまで笑っていた人物が死んでいきます。

☆☆☆

鑑賞日:2013/10/06 DVD

監督岡本喜八 
脚本山田信夫 
岡本喜八 
原作神山圭介 
出演永島敏行 
勝野洋 
本田博太郎 
中村秀和 
山田隆夫 
竹下景子 
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