映画【ザ・ハント】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 人間狩りが行われて狩る方、刈られる方それぞれの視点の話。

●感想

 森みたいなところで目が覚めて何が何やらわからないまま、攻撃が始まって次々に殺されていく。という序盤の展開からスピーディーかつ誰がサバイバルしていくのか全く分からないという転がりが新鮮で楽しかったです。そこでの殺され方、人体破壊描写も豪快で爽快さすら感じる描写でした。「私誕生日なの」という女性の末路とか笑ってしまいました。この序盤のハントされる側の視点が次々に代わっていって息つく暇のないアクションでした。

 そこから今度はハントする側の視点になって何となくの世界観の説明がありつつ、本当の主人公がふらっと現れて一気に逆転するのも意外性もあり気持ちのいい展開でした。その後も何が起こっているんだろう? 何が起きるのだろう? という興味を持って退屈せずに見られる展開が続いてよかったです。

 ただラスボスが出てきて、1年前のマンハントの動機の事情が明らかになって…というのとかも説明的でかつ見せ方も台詞だけで進むので、しかもそれが後半に台詞での展開なので失速していきました。主人公がウサギとカメの話を長いことするのとかも退屈でした。クライマックスもガールズファイトも荒々しくて楽しいですが、特に新鮮さなどはなく殴り合っているだけなので、カタルシスは少なかったです。物語の風呂敷の広がっていくまでは楽しかったですが、回収していくところとかは失速していく印象でした。

 とはいえ、人間狩りもののジャンルとしても楽しく、リベラル保守の対立という社会的な構造をはめ込んだものとして深読みしても楽しい映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2020/11/09 TOHOシネマズ日比谷

監督クレイグ・ゾベル 
脚本ニック・キューズ 
デイモン・リンデロフ 
出演ヒラリー・スワンク 
ベティ・ギルピン 
エマ・ロバーツ 
アイク・バリンホルツ 
ウェイン・デュヴァル 
イーサン・サプリー 
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