●こんなお話
流れ者の髭のオジサンたちが王様に復活すっぞ! とそのために必要なドラゴンが眠る山の石を取りもどす旅の話。
詳細ネタバレあらすじ
トーリン・オーケンシールド率いるドワーフ一行は、ビルボ・バギンズとガンダルフとともに、スマウグに奪われた故郷エレボールを取り戻すため旅を続けている。アゾグ率いるオークたちに追われる一行は、森の中を進んでいる途中で巨大な熊に遭遇する。熊から逃げた一行は一軒の家に入り、そこに住むビヨルンと出会う。ビヨルンは人間の姿と巨大な熊の姿を行き来する人物で、オークを敵視している。ガンダルフはビヨルンに事情を説明し、一行は彼の家で夜を過ごす。翌朝、ビヨルンは一行に馬を貸し、闇の森の入口まで送り出す。
闇の森へ入る前に、ガンダルフは一行と別れる。森の近くにある古い遺跡を調べたガンダルフは、南方で起きている異変を調べるため、一人で別の場所へ向かうことにする。トーリンたちはガンダルフから、森の中で道を外さないこと、目的地へ着くまで旅を続けることを指示される。
ガンダルフと別れたトーリンたちは闇の森へ入る。しかし、森の中を進むうちに道を外れ、巨大な蜘蛛の群れに襲われる。蜘蛛はドワーフたちを糸で縛り上げ、木々の間へ運んでいく。ビルボは指輪を使って姿を隠し、蜘蛛を攻撃する。ビルボは蜘蛛を倒し、捕らえられていたドワーフたちを助ける。
その直後、闇の森のエルフたちが現れ、蜘蛛を退ける。エルフたちはドワーフたちを捕らえ、森の王スランドゥイルのもとへ連れていく。指輪で姿を隠していたビルボは捕まらず、エルフたちの後を追う。
スランドゥイルはトーリンたちから旅の目的を聞く。トーリンはエレボールを取り戻すために旅をしていることを明かすが、スランドゥイルはドワーフたちを牢獄へ入れる。ビルボは牢獄の鍵を手に入れ、ドワーフたちを脱出させる。さらに、エルフたちが運んでいた樽を利用し、ドワーフたちを樽の中へ入れて川へ流す。ビルボも樽に入り、一行は川を下って闇の森から脱出する。
川を下る途中、ドワーフたちはボルグ率いるオークたちに襲われる。オークを追ってエルフたちも川へ入り、ドワーフ、エルフ、オークが川の上で戦う。ドワーフたちは樽に乗ったまま川を下り、エルフたちはオークを攻撃する。キーリはボルグの放った矢を受けて負傷する。一行はオークから逃れ、湖の町エスガロスを目指す。
一方、ガンダルフはラダガストと合流し、古い墓を調べる。そこにはかつて指輪の幽鬼となった者たちが葬られていたが、墓は空になっている。ガンダルフは指輪の幽鬼が戻っていることを確認し、ラダガストにその情報を伝えるよう指示する。その後、ガンダルフはドル・グルドゥアへ向かう。
トーリンたちは湖の町へ向かう途中、船を操るバルドと出会う。バルドは一行を船に乗せ、湖の町へ運ぶ。町へ入ったドワーフたちは町の統領のもとへ連れていかれる。トーリンは自分がエレボールの王位継承者であることを明かし、エレボールを取り戻した後には町にも利益を与えると話す。統領はトーリンたちを受け入れ、旅に必要な武器や物資を用意する。
キーリはオークの矢を受けて負傷していたため、エレボールへ向かう一行から外れる。フィーリ、オイン、ボフールもキーリとともに湖の町へ残る。バルドはキーリを自宅へ運び、傷の手当てをさせる。
バルドは、かつてスマウグがデイルを襲った際に使われた黒い矢を保管している。黒い矢は通常の矢よりも大きく、スマウグを倒すために使われる武器だった。バルドはスマウグが再び現れた場合に備えて矢を用意するが、町の統領の手下に捕らえられる。その際、バルドは息子のバインに黒い矢を託す。
そのころガンダルフはドル・グルドゥアへ入り、内部を調べる。オークたちが街部していて、戦いながら奥へ進んだガンダルフは、死人遣いと呼ばれていた存在と対面する。その存在はガンダルフの前で正体を現し、サウロンであることが明らかになる。サウロンはガンダルフを攻撃し、ガンダルフを捕らえる。
エレボールを目指すトーリンたちは、目的地へ近づいたところで隠し扉を探す。ビルボは地図を確認し、月の光によって隠し扉の位置を見つける。トーリンが持っていた鍵を使って扉を開き、一行はエレボールの内部へ入る。
トーリンはビルボに、財宝の中からアーケン石を探すよう指示する。ビルボは一人で広大な財宝の中へ入り、アーケン石を探す。金貨や宝物の山を進んでいくと、その下で眠っていたスマウグが目を覚ます。
ビルボは指輪を使って姿を隠しながらスマウグから逃れる。スマウグは姿の見えない侵入者の存在に気づき、ビルボに話しかける。ビルボはスマウグと会話しながら財宝の中を移動し、アーケン石を見つけて持ち去る。
スマウグはエレボール内部を飛び回り、ドワーフたちを追う。トーリンたちはエレボールの鍛冶場へ逃げ込み、そこでスマウグを倒す方法を探す。ドワーフたちは鍛冶場を利用して巨大な黄金像を作り、大量の溶けた金をスマウグへ浴びせる。しかしスマウグは黄金の中から姿を現し、攻撃を受けても生き残る。
一方、湖の町ではボルグ率いるオークたちがキーリたちを襲う。フィーリ、オイン、ボフールがオークと戦い、バルドの家にいる者たちも襲撃を受ける。そこへタウリエルとレゴラスが現れ、オークたちと戦う。タウリエルは毒の矢を受けたキーリの治療を続け、レゴラスは逃げたボルグを追う。
タウリエルはキーリの傷に処置を施す。キーリは毒の影響を受けて動けなくなっている。タウリエルは治療を続け、キーリは回復していく。一方、スランドゥイルは捕らえたオークを尋問し、南方で軍勢が動いていることを知る。スランドゥイルはエルフの王国を閉ざすことを決める。
エレボールでは、スマウグがドワーフたちを追い続ける。トーリンたちは鍛冶場を使ってスマウグを攻撃するが、スマウグは攻撃をかわし、黄金の中から脱出する。ビルボはアーケン石を持ったままドワーフたちと合流する。
スマウグはエレボールから飛び立ち、湖の町へ向かう。ビルボはスマウグが湖の町を攻撃することを知る。トーリンたちはエレボールに残され、ガンダルフはドル・グルドゥアで捕らえられたままとなる。スマウグは湖の町へ向かって飛んでおしまい。
●感想
160分という長い上映時間ですが、ここまでシリーズを見ていると、もう中つ国の世界に入り込んだ状態なので、冒頭からフルスロットルで冒険が始まるのが楽しいです。トーリンたちと一緒に旅をしながら、次々と現れる障害を突破していく感覚があり、巨大なアトラクションに乗っているような楽しさがありました。
オークたちに追われながら進む一行を見ていると、ガンダルフは今回も頼れるのか頼れないのか分からない立ち位置です。重要な場面では力を発揮する一方で、途中から単独行動を始めるため、ドワーフたちの旅とガンダルフの調査が別々に進んでいきます。
ドワーフたちが闇の森へ入ってからは、巨大蜘蛛との戦いが始まります。蜘蛛に捕らえられた一行をビルボが助け、そこへエルフたちが現れるという流れも見応えがあります。そして、もう駄目なのではと思うところで援軍が現れ、戦いが一気に動き出す展開が何度もあります。
このシリーズには、戦う一行、追い詰められる、そこへ援軍が現れる、さらに音楽が盛り上がるという展開がありますが、今回はそれがたっぷり詰め込まれています。何度もピンチが訪れるのに、横から別の人物が現れて状況を変えていく。その繰り返しが楽しく、アクション映画としての勢いが途切れません。
特に面白かったのが、エルフの王国からの脱出です。牢獄から逃げ出し、樽に入ったドワーフたちが川を下りながらオークやエルフと戦う場面は、次々と状況が変化していきます。川、樽、エルフ、ドワーフ、オークを組み合わせて、一つのアクションシーンとしてまとめているのが見事でした。
長いシリーズなので、これまでにもさまざまな戦闘場面を見てきましたが、まだこんな見せ方があるのかと思わされます。大規模なセットやCGだけに頼るのではなく、登場人物がどこにいて、どの方向へ動いているのかを利用して場面を組み立てているため、映像を追っているだけでも楽しめました。
湖の町に入ってからは、エレボールへ向かうトーリンたちと、負傷したキーリたちの動きが分かれていきます。バルドという新たな人物が加わり、さらにタウリエルやレゴラスも関わってくるため、それぞれの人物が別々の場所で動き始めます。
タウリエルとキーリの関係や、そこにレゴラスが加わることで生まれる三角関係も、この作品では大きな要素になっています。ドワーフとエルフの関係だけでなく、個人同士の関係も描かれることで、冒険の途中に別の物語が並行して進んでいく構成になっています。
そして、いよいよエレボールに到着してからのスマウグとの対決が見どころです。巨大な竜を相手に、トーリンたちが一人ずつ戦うのではなく、ドワーフたちがそれぞれの役割を担いながら逃げ、攻撃し、鍛冶場を利用して反撃する展開が面白かったです。
スマウグは圧倒的な大きさを持っていますが、ドワーフたちは正面から力だけで対抗するのではなく、エレボールの設備や財宝を利用して戦います。巨大な黄金像を作り、溶けた金を浴びせる場面まで発展していくため、どうやって竜と戦うのかを見ているだけでも楽しめました。
「そんな攻撃を受けたら終わりなのでは」と突っ込みたくなるところですが、むしろそこからスマウグが立ち上がることで、最後の展開につながっていきます。竜との戦いをここまで大規模なアクションとして見せる演出は迫力がありました。
そして、気になるところを大量に残したまま終わるのも、この作品の特徴です。スマウグは湖の町へ向かい、バルドが持つ黒い矢がどう使われるのかが気になります。ビルボが手に入れたアーケン石が今後どうなるのかも気になりますし、指輪の存在も物語の中で重要な意味を持っています。
さらに、ガンダルフがドル・グルドゥアで捕らえられたことで、こちらの物語も次回へ持ち越されます。レゴラスとタウリエル、キーリの関係も続きが気になりますし、トーリンたちがエレボールを取り戻した後に何が起きるのかも気になります。
よく考えると、巨大な冒険をこれだけ見せても、エレボール奪還という目的はまだ途中です。それでも、闇の森、エルフの牢獄、樽での脱出、湖の町、エレボール、そしてスマウグとの対決と、見せ場が次々に続くので、ストーリーが進んでいる以上に一本の映画を見終えた満足感があります。
物語の進展よりも、目の前で起こる冒険やアクションを楽しむタイプの作品として非常に面白かったです。特にドワーフたちが何度も追い詰められながら、その場にあるものを利用して突破していく展開が好きでした。最後まで勢いが落ちず、続きがすぐに見たくなる作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2014/03/01 TOHOシネマズ南大沢 2019/09/14 BSテレ東 2026/08/29 U-NEXT
| 監督 | ピーター・ジャクソン |
|---|---|
| 脚本 | ピーター・ジャクソン |
| フラン・ウォルシュ | |
| フィリッパ・ボウエン | |
| ギレルモ・デル・トロ | |
| 原作 | J・R・R・トールキン |
| 出演 | イアン・マッケラン |
|---|---|
| マーティン・フリーマン | |
| リチャード・アーミティッジ | |
| ベネディクト・カンバーバッチ | |
| エヴァンジェリン・リリー | |
| リー・ペイス | |
| ルーク・エヴァンス | |
| スティーブン・フライ | |
| ケン・ストット | |
| ジェイムズ・ネスビット | |
| オーランド・ブルーム |


