映画【ザ・テキサス・レンジャーズ】感想(ネタバレ):実在のボニー&クライドを追った追跡劇

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●こんなお話

 銀行強盗犯を追いかける元テキサスレンジャーたちの話。

●感想

 農作業中の囚人たちが、実は脱獄を企んでいた。そこに現れるのが、空に向かってマシンガンをぶっ放す女性と、車で待機している男。彼女の銃声を合図に、囚人たちは一斉に逃げ出す。彼らは単なる脱獄犯ではなく、銀行強盗を繰り返し、警官たちを残酷に殺していく冷酷な犯罪者だった。警察の追跡も歯が立たず、州知事は最後の手段として、かつてのテキサス・レンジャーに追跡を依頼する。

 最初はその依頼を断る主人公だが、警官が殺されたというニュースに心を動かされ、久しぶりに銃を手に取る。射撃の練習をしているのを見て、妻は呆れつつも「無事に帰ってきて」と言って送り出す。かつての相棒に声をかけようとするも、今は孫と静かに暮らしている様子を見て言葉を飲み込み、その場を立ち去る。代わりに自宅で銃器を準備していたところ、ウディ・ハレルソン演じる旧友が現れ、「一緒に行こう」と声をかけてくる。こうしてふたりの追跡劇が始まる。

 FBIの捜査官たちは最新技術を駆使して捜査を進めているが、主人公たちは昔ながらのやり方で一歩一歩犯人を追う。犯人が「必ず実家に戻る」という理論に基づいて張り込んだり、伝令役の少年を追いかけるが年齢には勝てず追いつけなかったりと、どこか不器用で人間味のある追跡が続く。途中、ボニーとクライドの顔を知っている若い保安官を仲間に加えたり、彼らの痕跡が残る沼地を訪ねたり、クライドの父親と話をしたりするが、捜査はあくまで地味。

 派手なチーム結成というわけでもなく、仲間集めのドラマもそこまで熱くなく。汚職警官かどうかをテストするくだりも終盤になってようやく登場し、そこからようやくクライマックスへ。カーチェイスや銃撃戦といった派手なアクションも一応ありますが、一瞬で終わるため、アクション映画的な盛り上がりは薄め。

 その一方で、合間に挿入されるボニーとクライドによる警官殺しのシーンはかなり凄惨で恐怖は強め。最後のクライマックスでようやく彼らの顔が明かされますが、それがあまりに若く、まるで少年少女だったのには驚かされます。

 全体としては、ケヴィン・コスナーとウディ・ハレルソンの渋さを味わうための映画という印象。1930年代のアメリカの風景や、実際の事件に興味がある人にはハマると思いますが、そういった要素に関心がない人にとっては、130分はやや長く感じられるかもしれないです。

☆☆☆

鑑賞日:2022/01/27 NETFLIX

監督ジョン・リー・ハンコック
脚本ジョン・フスコ
出演ケヴィン・コスナー
ウディ・ハレルソン
キャシー・ベイツ
ジョン・キャロル・リンチ
トーマス・マン
キム・ディケンズ
W・アール・ブラウン
ウィリアム・サドラー
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