●こんなお話
今度はタイで薬物泥酔してしまって、失踪した人を探す話。
●感想
舞台がラスベガスからタイ・バンコクに移っただけで、やっていることはほぼ前作と同じという、良くも悪くも“水戸黄門”的なマンネリズムで楽しませてくれるシリーズ第2弾でした。全く同じ構造なのに面白く見られてしまうのは、このシリーズのキャラクターたちが本当に愛されている証拠だと思います。
今回も例によって記憶をなくした一夜の出来事を手がかりに、バンコクの街を奔走するという展開で、登場人物たちは前作同様、無茶苦茶な行動やセリフでどんどんトラブルを引き寄せていく。その過程で出会った人物たちとのやりとりや、トンデモな真相が少しずつ明かされていく構成がテンポよく、コメディ映画としての魅力はしっかり継続されていました。
確かに1作目をほとんどそのままリメイクしたようなストーリー展開なので、「またこれか」と感じてしまう人もいるかもしれないです。でも、1作目を観てキャラクターに感情移入できていれば、また彼らが同じようなバカ騒ぎを繰り返してくれるのはむしろ嬉しい気持ちに。もちろん、前作を知らなくても問題なく笑える作りになっているので、シリーズ初見の人にも安心しておすすめできると思います。
個人的にはケン・チョン演じるミスター・チャウが序盤であっさり製氷機に放り込まれ、そのまましばらく出番なし。やっと出てきたと思ったら即逮捕という扱いはちょっと物足りなかったです。逆に、麻薬の運び屋をやらされるタバコを吸う猿のキャラクターは、シュールな存在感でめちゃくちゃ笑えました。
一方で、沈黙の誓いを立てた僧侶を面白おかしく描いたり、義弟が指を切断されるという事件があまりに軽く流されていたりと、気になる点もちらほらあったのは否めなかったです。とはいえ、エピローグで前作にも出てきたあの元ボクサーがまさかの美声を披露し、それに苦笑いしながら、例によって写真で明かされていく「何があったか」がわかるエンドロールに突入する流れはやっぱりこのシリーズならではの楽しさ。
全体として、構造的な新鮮さはないですが、だからこその安心感とお約束のバカ騒ぎが味わえる、シリーズファンにはたまらない2作目だったと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2012/01/04 Blu-ray 2020/11/19 NETFLIX
監督 | トッド・フィリップス |
---|---|
脚本 | クレイグ・メイジン |
スコット・アームストロング | |
トッド・フィリップス |
ブラッドリー・クーパー |
エド・ヘルムズ |
ザック・ガリフィナーキス |
ケン・チョン |
ジェフリー・タンバー |
ジャスティン・バーサ |
ポール・ジアマッティ |
ジェイミー・チャン |
マイク・タイソン |
ニック・カサベテス |