映画【禁じられた遊び(2023)】感想(ネタバレ):不気味な一家と超常現象が織りなす異色ホラー映画

●こんなお話

　お母さんが亡くなったのでもう一度蘇らせようとしたら怖い姿でアタックしてくる話。

●感想

　一軒家の庭で父親と母親、それに息子が和やかに過ごす団らんのシーンから物語は始まる。息子がトカゲのしっぽを持ってきて、父親がそのしっぽを庭に埋めておまじないを唱えるとトカゲが復活すると嘘を教えると、息子は毎日庭でそのおまじないを唱えるようにな。そんな平穏な日々の中、父親が仕事をしている最中に電話が入り、妻と子どもが交通事故に遭ったという知らせを受けます。父親が急いで病院に駆けつけると、二人とも重体で、息子は一度は死亡しますが心臓が再び動き出す。しかし、妻は亡くなってしまいます。

　主人公はネットテレビのリポーターで、取材を終えて帰宅すると、かつての同僚で片思いしていた相手の奥さんと子どもが交通事故に遭ったニュースを目に。その前兆として耳鳴りやコップが割れるなどの超常現象が起こる。お葬式で元同僚と再会し、7年前の回想へ。

　回想では、主人公が会社員時代に一生懸命働く同僚に片思いをしている様子が描かれ。ある夜、仕事中に上司に襲われた際、同僚が助けてくれる。同僚の奥さんが出産後に会社に訪れた際、奥さんは「近づくな」といった不穏な言葉を主人公に投げかけ、主人公はびっくり。

　元同僚の子どもは庭に母親の指を埋めておまじないを唱えると、土が動き出すという異常な現象が起こり、同僚は恐怖におののき。主人公の周囲でも怪奇現象が多発し、有名な霊能力者に鑑定を依頼しますが、霊能者も対応できず、生霊が憑依して主人公を襲う。さらに霊能者の助手が霊能者を殺害し、自らも自殺するという事件が起こります。

　主人公が元同僚の家を訪れると、そこはゴミ屋敷のようになっており、息子が「お母さんに会わせてあげる」と言葉を発します。追い出された主人公は庭を覗くと、地面から目が出ているのを発見。

　さらに主人公は元同僚の奥さんがかつていた養護施設を訪れ、幼少期に不思議な力があったことを聞きます。霊能者の言葉を思い出し、一度死んで蘇った者の肉体は滅ぼすべきという考えから、再び元同僚の家を訪れ、庭で蘇った奥さんを倒そうと試みる。しかし襲われて逃走、電車に轢かれて身体がバラバラになる奥さんの姿が。

　それでもバラバラになった身体は徐々に元に戻りつつあり、実は超能力は奥さんではなく子どもに遺伝していて、子どもが暴走し始め、最終的に燃えて焼死してしまう。

　物語の最後に主人公が再び元同僚の家を訪れると、子どもが復活の呪文を唱えている場面が描かれ、おしまい。

　全体を通して、最初から奥さんが不気味で恐怖を感じさせるキャラクターとして描かれており、理想的な家庭の穏やかなシーンですら不安を感じさせる作りになっています。息子も初めから不気味で、都会の一軒家に薪や斧が普通に置かれていることが独特のホラー演出となっています。

　クライマックスで子どもが燃える描写は、生理的に受け入れがたく、映像のクオリティもあまり高くなかった点が気になりました。

☆☆

鑑賞日:2023/12/10 Amazonプライム・ビデオ