映画【エクソシスト 信じる者】感想(ネタバレ):悪魔に挑むのは神父だけじゃない!続編で描く市民による悪魔祓い

THE EXORCIST: BELIEVER
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●こんなお話

 少女が森で失踪して発見後に悪魔に憑りつかれたので素人で悪魔祓いをして救おうとする話。

●感想

 物語は、臨月を迎えた妻とカメラ好きの主人公夫婦が、ハイチを観光で訪れるところから始まります。ホテルで休んでいた奥様が突然の地震に巻き込まれ、建物が崩落。奥様は重傷を負い、病院に運ばれた主人公は、医師から「母親と子ども、どちらの命を救うか」という過酷な選択を迫られることになります。

 そこから13年後、主人公は成長した一人娘と2人で穏やかに暮らしており、日常生活のなかでの親子の絆が丁寧に描かれます。娘は亡き母親に会いたいという願いから、友人とともに降霊会を開くことを決意し、森の中へと向かいます。

 ところがその夜、娘が帰宅せず、心配した主人公は友人宅へ連絡します。娘と友人の2人が行方不明になっていたことがわかり、保護者たちとともに森を捜索。3日後、2人は遠く離れた納屋で無事に発見されますが、記憶は曖昧で「3時間しか経っていなかった」と語るなど、不可解な状況に陥ります。

 帰宅後、2人の少女は次第に異常な行動を見せ始め、汚い言葉を発したり、暴力的になるなど、明らかに様子がおかしくなります。そんな中、隣人で看護師の女性が異変に気付き、かつて悪魔祓いを経験した女性の著作を主人公に紹介します。

 主人公は娘を精神病院に入院させたうえで、その著作の著者であり、過去に実際の悪魔祓いを経験した女性に会いに行きます。彼女は、1973年の『エクソシスト』に登場した母親であり、悪魔に憑かれた娘の体験を記録した人物でもあります。彼女は娘に会って直接悪魔祓いを試みますが、目を十字架で刺され重傷を負ってしまいます。

 その後、主人公は正式な神父に悪魔祓いの儀式を依頼しますが、神父は儀式直前で恐怖により逃げ出してしまいます。仕方なく、主人公たちは近所の人々を集め、素人ながら悪魔祓いを開始。儀式の最中、主人公は13年前の選択――母親の命を選んだ過去――を悪魔に責められ、深いショックを受けます。

 そこに意を決して戻ってきた神父が現れ、儀式に加わろうとしますが、悪魔に襲われて首を折られ死亡。悪魔は「娘のどちらかを選べ」と問いかけ、もう一人の少女の父親は「自分の娘を選ぶ」と叫びます。その瞬間、主人公の娘だけが生還し、日常へと戻っていくことになります。

 ラストシーンでは、かつての悪魔祓いの主人公(前作の母親)のもとに、娘が姿を現し、再会しておしまい。

 悪魔祓いのシーンは典型的な構成で、娘が取り憑かれて異常行動を繰り返し、親が苦悩しながら解決の糸口を探すという、いわばホラー映画の王道展開が繰り広げられます。逆にいえば、その「お約束」に安心して身を任せられる、マンネリズムゆえの面白さも本作の魅力の一つとだと思います。

 中でも、新鮮だったのは「素人たちによる悪魔祓い」を中心に描いた点です。神父に頼らず、地域の人々の力で困難に立ち向かおうとする描写には、現代的な連帯感が感じられました。

 ただし、なぜ除霊が成功したのか、どうして娘だけが救われたのかなど、説明が曖昧な部分も多く、観終わった後にはやや「ぽかん」としてしまう結末でした。ホラー映画好きであれば、その余白を楽しむのも一興かもしれません。

☆☆☆

鑑賞日:2024/10/06 Amazonプライム・ビデオ

監督デヴィッド・ゴードン・グリーン 
脚本デヴィッド・ゴードン・グリーン 
ピーター・サットラー 
原案スコット・ティームズ 
ダニー・マクブライド 
デヴィッド・ゴードン・グリーン 
出演レスリー・オドム・Jr 
アン・ダウド 
ジェニファー・ネトルズ 
ノーバート・レオ・バッツ 
リディア・ジュエット 
オリヴィア・マーカム 
エレン・バースティン 
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