映画【デイ・アフター・トゥモロー】感想(ネタバレ):大災害が迫る都市を舞台にしたスペクタクル体験

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●こんなお話

 地球が氷河期になってしまって、災害ショーな話。

●感想

 ハリウッドの大規模なディザスター映画らしく、ロサンゼルスには巨大な竜巻が襲いかかり、ニューヨークの街並みは押し寄せる高潮に飲み込まれていく。CGによる破壊の描写や、大都市が自然の猛威に晒されていく様子は、まさに大作らしい迫力が詰まっていて、目を奪われる場面がいくつもありました。地球規模で巻き起こる異常気象の連鎖、それに翻弄される人々の姿を描こうとしているのは伝わってきます。

 ただ、そのスペクタクルな映像は物語のなかでうまく組み込まれておらず、ドラマとして盛り上がる場面に昇華されることが少なかったように感じます。映像単体として楽しめる瞬間はあるものの、物語に深く引き込まれるほどの展開には繋がらず、ドラマパートに入ると一転して間延びした印象になっていました。

 たとえば、息子が都市に取り残され、父親が徒歩で救出に向かうという骨子自体は王道の展開ですが、そこに緊張感を与える要素が薄く、タイムリミットや自然の障害物などもあまり機能していませんでした。さらには、サバイバルの見せ場として狼の襲撃という場面が用意されていたのですが、なぜそのような状況に狼が登場し、しかも異常なまでに凶暴なのかという点が腑に落ちず、むしろ現実味を削いでしまうような演出に見えてしまいました。

 息子側の動きと父親側の動きが交互に描かれ、それぞれがそれぞれの苦難に向かって進んでいくわけですが、観ている側としては物語に吸い込まれるほどの緊迫感や感情の高まりは得られず、展開は淡々と進んでいく印象でした。救出劇も特に障害があるわけではなく、終始平坦な道のりを歩いていくだけに留まってしまい、そこにカタルシスは生まれません。

 結果として、冒頭の大災害が起こるシーンが最も迫力と熱量を持っていて、そこをピークに徐々にテンションが下降していくような構成になっていたのが残念に思えました。物語の冒頭で目を奪われるような描写を見せてくれるぶん、その後の流れに自然と期待値が上がるのですが、残念ながらそれを上回る場面が現れず、心の温度も少しずつ下がっていくのを感じながらの鑑賞となりました。

☆☆☆

鑑賞日: 2017/06/17  Amazonプライム・ビデオ

監督ローランド・エメリッヒ 
脚本ローランド・エメリッヒ 
ジェフリー・ナクマノフ
出演デニス・クエイド 
ジェイク・ギレンホール 
エミィ・ロッサム 
ダッシュ・ミホク 
ジェイ・O・サンダース 
セーラ・ウォード 
オースティン・ニコルズ 
アージェイ・スミス 
タムリン・トミタ 
サーシャ・ロイス 
イアン・ホルム 

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