●こんなお話
父親の後妻が失踪したので主人公がレスキューしに行く旅の話。
●感想
物語は空襲警報が鳴る夜から始まる。主人公が2階の窓から外を見つめると、母親のいる病院が燃え盛っていて火の粉が舞う街を必死に駆け抜けるが、病院にはたどり着けない。戦争が始まって3年、母親が亡くなったことを告げるナレーションとともに、主人公は東京を離れて新しい場所へ向かう。
引っ越し先では、父親の再婚相手の実の母親の妹と名乗る女性が迎えに来る。父親は工場を経営しているらしくすぐに現場に向かい、主人公は再婚相手やお手伝いさんと挨拶を交わす。学校では喧嘩をして自分の頭を石で打ちつけ負傷し、帰りには屋敷に住みつくアオサギが人間の言葉を話しかけてくる。蛙に襲われたところを再婚相手が放った矢で救われた主人公は、アオサギを倒すために弓矢を自作する。
屋敷の裏にある謎の塔は大叔父が本を読みふけって行方不明になった場所とされ、再婚相手がその塔で姿を消してしまう。助けに行った主人公は塔の中でアオサギと戦い、最終的にアオサギが再婚相手の元へ案内すると約束したことで、地面が溶けて落下する。
落下した先の異世界でペリカンに襲われるが、通りかかった女性に助けられる。そこには人間になる妖精や火を操る少女がおり、主人公はアオサギとともに再婚相手を救うため旅を続ける。インコが住む屋敷では再び危機に陥るが火を使う女性に助けられ、その後も大叔父と出会い仕事を継ぐように説得されるも、主人公は自分の世界へ戻りたいと願う。
異世界で出産しようとする再婚相手に拒絶され落ち込む主人公は、インコ軍団に連れ去られた火を使う女性を追いかける。インコ大王と大叔父の会話から、この世界は積み木のように繊細なものであり、大叔父が積み木を壊すと世界が崩壊してしまうことが示唆される。最終的に主人公は元の世界へ戻っておしまい。
展開は次々と新しい世界やキャラクターが現れ、予想できない流れで進むため一見するとぶっ飛んだ内容ですが、ファンタジーとしての魅力はやや薄く感じてしまいました。アオサギだけが際立った存在で、他のキャラクターや世界は面白そうな期待を抱かせながらも深掘りされず終わってしまう印象が強かったです。
異世界での地獄めぐりのような構図ながら、映像のイマジネーションは控えめで、静かに淡々と物語が進むため集中して観るのが少し難しい作品でした。
☆☆
鑑賞日:2023/08/02 イオンシネマ座間
監督 | 宮崎駿 |
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脚本 | 宮崎駿 |
原作 | 宮崎駿 |
出演(声) | 山時聡真 |
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菅田将暉 | |
柴咲コウ | |
あいみょん | |
木村佳乃 | |
木村拓哉 | |
竹下景子 | |
風吹ジュン | |
阿川佐和子 | |
大竹しのぶ | |
國村隼 | |
小林薫 | |
火野正平 |