●こんなお話
アメリカの田舎町で宇宙からの侵略者が人間を食べていく話。
●感想
アメフトの男子学生が女子生徒をデートに誘うシーンから物語は始まります。二人は一緒に過ごす約束をして、男子学生が迎えに来てデートに出かけていく。その一方で、不良少年が壊れかけた橋をバイクで飛び越えようとしている危険な場面もあったり。
突然、不良の前に腕にスライムが巻きついたホームレスが現れ、車道に飛び出してしまう。周囲の人たちはすぐに病院へ運ぶが、ホームレスは命を落とし、体が溶けているのを見てみんな驚愕する。その騒ぎを見ていた男子学生が助けを求めて電話をかけると、電話線からスライムが襲いかかり、彼の体もどろどろに溶かされてしまう。女子生徒はその様子に言葉を失う。
不良は警察に呼ばれて尋問されるが、証拠不十分で釈放される。後に不良と女子生徒がダイナーで話していると、そこで働く従業員がスライムに襲われる。スライムはどんどん巨大化し、ついには映画館を襲撃して住民をパニックに陥れる。
弟を助けようとする女子生徒は下水道に逃げ込み、そこでスライムに襲われるが、不良がバイクで現れて救出する。ところが政府の人間がこのスライムを新兵器として利用しようと企み、住民の犠牲も厭わず、下水道にいる不良たちを閉じ込めようとする。
科学者もスライムに襲われ、政府は爆破作戦を敢行するがスライムには効かず、住民は建物に避難を余儀なくされる。最終的に不良が寒さを苦手とするスライムの弱点を突き、雪の積もった車で突撃して爆発を起こし、スライムは凍結して事態が収束しておしまい。
田舎町の人々の日常がさっと描かれ、その後に次々とスライムに人間が飲み込まれて溶かされていくスピーディーな展開は見応え十分でした。CGに頼らず特殊効果で見せる人間の捕食シーンは迫力があって、排水口に手を突っ込んだ人間が引きずり込まれたり、電話ボックスに逃げ込んだ人が丸ごと飲まれてしまう衝撃的なシーンが楽しかったです。
隕石から飛来した生物という設定で、当然のように悪い科学者の陰謀が絡み、悪役の結末も見もので。善人も悪人も容赦なくスライムに溶かされていく平等な死が描かれているのがこの作品の特徴だと思います。
クライマックスの映画館襲撃と住民パニックの場面は見ているこちらの期待にしっかり応えてくれて、阿鼻叫喚の混乱が楽しく見られました。ただ主人公たちのキャラクターはあまり魅力的ではなく、普通の若者がスライムの攻撃にただリアクションしているだけという印象が強かったです。だが主人公がスライムだという見方もできるので、その点は楽しめるポイントだと思います。
サービス精神旺盛なクリーチャーものとして、怖さと楽しさが両立した作品に仕上がっている1作でした。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2017/08/01 Amazonプライム・ビデオ 2024/05/11 U-NEXT
監督 | チャック・ラッセル |
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脚本 | チャック・ラッセル |
フランク・ダラボン |
出演 | ショウニー・スミス |
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ドノヴァン・リーチ | |
ケヴィン・ディロン | |
ジェフリー・デマン | |
キャンディ・クラーク | |
ジョー・セネカ | |
デル・クローズ |