●こんな話
密売人が事故で森にコカインを落としてクマがそれを食べて興奮して山の人たちを襲う話。
詳細ネタバレあらすじ
1985年、麻薬密輸業者のアンドリュー・C・ソーントン2世は、小型飛行機で大量のコカインを運び、ジョージア州の森林へバッグを投下する。ソーントンは最後のバッグを持ったまま飛行機から脱出しようとするが、機体のドアに頭をぶつけて意識を失い、そのまま落下して死亡する。遺体はテネシー州ノックスビルで発見され、刑事のボブが身元を確認する。ボブは、落下したコカインがセントルイスの麻薬王シド・ホワイトのものだと推測し、一部が見つかっていないことを確認する。
ジョージア州のチャタフーチー・オコニー国有森林では、落下したコカインの一部をメスのアメリカクロクマが見つけ、口にする。その後、森を歩いていたハイカーのエルサとオラフの前にクマが現れる。クマは2人を襲い、エルサが死亡する。オラフはその場から逃げる。
森林の近くでは、13歳のディー・ディーが母親のサリと暮らしている。ディー・ディーは友人のヘンリーと一緒に学校を抜け出し、森にある滝を描くために出かける。2人は森の中で落ちていたコカインを見つけ、一部を口にする。その直後にクマが現れ、2人を追い始める。
サリはディー・ディーを探して森へ入り、公園レンジャーのリズと野生動物活動家のピーターも捜索に加わる。3人は木の上に隠れているヘンリーを見つけるが、そこへクマが現れる。クマはリズを襲って負傷させ、ピーターは逃げる途中でコカインの上に倒れる。身体にコカインが付着したピーターをクマが追い、襲って殺す。サリとヘンリーはその場から逃げ、リズは森林管理事務所へ戻って助けを求める。
一方、シド・ホワイトは行方不明になったコカインを回収するため、息子のエディとフィクサーのデイヴドをジョージアへ向かわせる。ソーントンの遺体を調べていた刑事のボブも、コカインの行方を追って森林へ向かう。
森林管理事務所では、地元の若者ポニーテール、ベスト、スタッシュの3人がデイヴドとエディに遭遇する。デイヴドは3人と争いになり、3人を制圧する。その後、スタッシュは自分がコカインの一部を隠した東屋へデイヴドとエディを案内する。
リズが森林管理事務所へ戻ると、ポニーテールとベストがいて、クマも後を追って現れる。リズは銃を撃ち、誤ってポニーテールを撃ってしまう。ポニーテールは死亡し、その直後にクマがベストを襲って殺す。
救急隊員のベスとトムが救急車で到着し、負傷したリズを搬送する。クマは救急車を追い、車内へ入り込む。トムはクマに襲われて死亡。混乱の中でリズは救急車から落下して死亡。ベスはパニックで運転していたが、車両が木に衝突し、フロントガラスから車外へ飛び出して死亡。
森の中では、サリとヘンリーがディー・ディーの捜索を続ける。ディー・ディーは森へ向かう途中に絵の具を使っていたため、サリとヘンリーは残された絵の具の跡をたどっていく。
そのころ、スタッシュに案内されたデイヴドとエディは東屋へ向かう。そこには先にボブが到着しており、隠されていたコカインを確保している。ボブはデイヴドを撃って負傷させる。その場にクマが現れると、ボブはコカインの入ったバッグを使ってクマを別の場所へ誘導する。
そこへシドと、ボブの同僚であるレバが現れる。シドはボブを撃ち、ボブは死亡。スタッシュはその場から逃げる。
サリとヘンリーは森の中でオラフを見つける。オラフはエルサが襲われた場所にいる。オラフは2人をディー・ディーがいる場所へ案内する。ディー・ディーはクマの巣穴におり、巣穴には2頭の子グマもいる。外で待っていたオラフの叫び声が聞こえる。
その後、シド、エディ、デイヴドもクマの巣穴へたどり着く。巣穴の奥にはコカインの入ったバッグがあり、さらに滝の裏側へ通じる出口があることが分かる。レバはその場から離れる。
クマが巣穴へ戻ってくると、サリ、ディー・ディー、ヘンリーは滝の下へ飛び込んで脱出する。エディとデイヴドも後から水へ飛び込み、巣穴から脱出する。
シドは木にひっかかったコカインを持ち出そうとする。クマが現れ、シドは銃でクマを撃って負傷させるが、クマはコカインの力で復活して、シドを襲い、シドはクマと子グマに襲われて死亡。
その後、サリ、ディー・ディー、ヘンリーは森から脱出する。エディとデイヴドも森を離れ、ボブが残した犬を連れてエディの息子のもとへ向かっておしまい。
●感想
序盤は、ソーントンのコカイン投下から始まり、サリとディー・ディー親子、ヘンリー、レンジャーのリズ、野生動物活動家のピーター、刑事のボブ、麻薬組織のシドやエディ、デイヴド、さらに森にいる若者たちまで、それぞれの人物の状況が順番に描かれていきます。クマの襲撃がすぐに連続する構成ではないため、最初はややテンポがゆっくりに感じられました。
ただ、登場人物たちが森に集まり始めてからは、クマの襲撃によって状況が次々と変化していきます。人間同士のコカイン争奪戦とクマによる襲撃が同時進行するため、誰がどこにいるのかを追いながら見る面白さもありました。
特に印象に残ったのが、レンジャーのリズです。クマを相手にしても逃げるだけではなく、銃を持って森林管理事務所へ戻り、救急隊員に搬送されるところまで行動が続きます。リズを演じるマージョリー・マーテインデイルの存在感もあり、登場人物の中でも強く印象に残りました。
そして本作の見どころは、やはりクマによる襲撃でした。コカインをめぐって集まった麻薬組織、警察、レンジャー、親子、若者たちが同じ森に集まり、立場に関係なくクマの襲撃に巻き込まれていきます。救急車の場面では、クマが車内まで入り込んでトムを襲い、リズやベスも次々と巻き込まれていくため、かなり強烈な展開になっていて笑えました。
人体破壊描写もかなり多く、クマが人間を襲う場面では容赦なく身体が傷つけられていきます。シリアスなサバイバル作品というより、コカインを食べたクマという設定を中心に、麻薬争奪戦とグロテスクな襲撃を組み合わせたブラックコメディとして楽しむ作品でした。
クマによる襲撃、麻薬をめぐる争奪戦、救急車を使った逃走、滝の裏側にある巣穴など、次々と場面が変わっていくため、後半はかなり勢いがあります。クマが登場するたびに誰が巻き込まれるのか分からない展開になり、人体破壊描写を含むB級映画的な面白さをしっかり楽しめる作品でした。
序盤は登場人物たちの日常が多く描かれ群像劇のように展開していたためややテンポが悪く感じられましたが、森の中でクマの襲撃が始まってからは、善人も悪人も関係なく次々と死んでいくスリリングな人体破壊描写が楽しめるものでした。特にレンジャーのおばさんのパワフルで迫力あるキャラクターが個人的には印象に残る1作でした。
☆☆☆
鑑賞日:2024/05/06 Amazonプライム・ビデオ 2026/09/10 Amazonプライム・ビデオ
| 監督 | エリザベス・バンクス |
|---|---|
| 脚本 | ジミー・ウォーデン |
| 出演 | ケリー・ラッセル |
|---|---|
| オシェア・ジャクソン・Jr | |
| オールデン・エアエンライク | |
| イザイア・ウィットロック・Jr | |
| クリストファー・ヒヴュ | |
| マーゴ・マーティンデイル | |
| レイ・リオッタ |


