映画【テルマエ・ロマエ】感想(ネタバレ):阿部寛が古代ローマ人として現代日本にタイムスリップ!

thermae-romae
スポンサーリンク

●こんなお話

 現代日本と古代ローマを行ったり来たりするドタバタの話。

●感想

 阿部ちゃんが古代ローマ人というユニークな設定で、現代の日本にタイムスリップするという物語の始まりは非常に面白く、特に彼が日本の風呂やトイレに驚く様子が見どころとなっています。大量のモノローグを通じて、彼が感じる疑問や驚きを丁寧に語りながら、それに合わせて阿部ちゃんが大真面目に演じる姿は非常に印象的です。銭湯での戸惑いやウォシュレットに感動する場面など、文化の違いによるショックや新鮮な驚きを通じて、観客は笑いと共感を覚えると思います。

 物語は、阿部ちゃんがローマに戻り、自分なりに日本で見聞きしたものを再現し、天才建築士として名を馳せていくという展開になります。ところが、彼は日本人を「平たい顔族」として奴隷視しつつも、実際には彼らの発明を単に模倣したに過ぎず、その矛盾と自分が崇められることへの罪悪感に葛藤していくのです。序盤から中盤までは、このカルチャーショックを受ける主人公の姿がコミカルに描かれ、非常に楽しめました。

 しかし、後半になると状況は一変します。日本で知り合った漫画家がローマにやって来てしまい、狂ってしまった歴史を正すための計画を立てて実行に移すのですが、その部分は非常に地味で、確かに日本の職人技の凄さを描いてはいるものの、物語の盛り上がりに欠けてしまい、前半のコメディの勢いも徐々に失われてしまいました。この手のタイムスリップものとしては既視感が強く、新鮮味に欠けてしまったため、退屈に感じる部分がありました。

 また、タイムスリップの設定がかなり無理があり、前半はコントのような笑いが受け入れられないと辛いだけの時間になってしまい、後半はガラッと雰囲気が変わるため、その変化に乗れない観客にとってはまるで拷問のような作品に感じられてしまうかもしれません。とはいえ、阿部ちゃんの肉体美が存分に披露されている点は見どころであり、その点では充分に堪能できる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2014/04/15 Hulu

監督武内英樹 
脚本武藤将吾 
原作ヤマザキマリ
出演阿部寛 
上戸彩 
北村一輝 
竹内力 
宍戸開 
笹野高史 
市村正親 
タイトルとURLをコピーしました