●こんなお話
14人しかいない小さな町に陸のジョーズが襲ってくる話。
●感想
砂漠の中にある小さな町で便利屋として働いている主人公コンビ。日々の雑用に飽きて「もっとでかいことがしたい」と町を出ようとするが、思いがけない事件に巻き込まれていく。
工事現場では人がいなくなり、鉄塔の上で死んでいる人が見つかり、ついには医者夫婦まで襲われて、住民たちはようやく何か恐ろしいものが町で起きていると気づく。主人公たちは馬に乗って助けを呼びに行こうとするが、途中で地中を移動する謎の怪物に襲われる。逃げる最中、たまたまコンクリートの壁に怪物が突っ込んで倒れる。そこに地震研究の学生も現れ、怪物の正体について推測するが、まだ残り3体いることが判明。主人公たちは再び襲われ、振動に反応して襲ってくる習性に気づき、岩の上に避難。棒高跳びのようにして車まで移動し、町へ戻る。
怪物は町にも現れ、住民たちは屋上に逃げ込む。銃マニアの夫婦の家では怪物が壁を突き破ってくるが、夫婦が銃火器で迎撃して撃退。住民たちは重たいトラクターで町を脱出しようとするが、怪物が落とし穴を掘って足止め。再び岩に避難し、ダイナマイトを食べさせて一体を撃退する。もう一体も同じ方法で倒そうとするが、ダイナマイトを吐き出されて大爆発。最後は断崖絶壁の地形を利用して、ダイナマイトを囮に怪物を崖下に誘導し、見事に撃退しておしまい。
この作品はモンスターパニック映画として非常によくできていて、何でも屋コンビを演じるケヴィン・ベーコンとフレッド・ウォードのバディとしての掛け合いが魅力的です。彼らだけでなく、住民たちもそれぞれにキャラが立っていて、特に銃マニアの夫婦の活躍は見応え抜群でした。
町を出ようとするたびに次々と発見される異常な死体、そして人がひとり、またひとりと怪物に襲われていく中で、ヤギを世話していたおじいさんが頭だけ残されている描写など、ショッキングなシーンもきちんとあります。
怪物は地中を進み、口の中から伸びるミミズのような触手で獲物を襲ってきて。そのビジュアルはインパクト大で、振動に反応して襲ってくるという生態も面白いです。高所に逃げることで一時的にやり過ごせるが、待ち伏せされてしまうというのも人間側の不利さをうまいです。
地面の板がバラバラと持ち上がりながら怪物が接近してくる演出も楽しく、退治方法も工夫されていて単調にならず。90分間、テンポよくハラハラできる構成でした。
人がたくさん死ぬのに、どこかのんきで陽気な雰囲気が漂っているのもこの映画の魅力で。恐怖と笑いのバランスが絶妙で、最後まで楽しく見ることができる作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2010/11/25 Blu-ray 2021/03/18 U-NEXT 2024/05/11 U-NEXT
監督 | ロン・アンダーウッド |
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脚本 | ブレント・マドック |
S・S・ウィルソン |
出演 | ケヴィン・ベーコン |
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フレッド・ウォード | |
フィン・カーター | |
マイケル・グロス | |
リーバ・マッキンタイア | |
ボビー・ジャコビー | |
シャーロット・スチュアート |