●こんなお話
映画がサイレントからトーキーに移行する時代の俳優さんたちの話。
●感想
サイレント映画のスターである主人公と、彼が見出した新人女優のぺピーが新時代の幕開けだるトーキー映画のスターに上り詰めていく序盤。出会った瞬間から、2人は惹かれあってる様子が表情や動きでわかります。
更によかったのは、2人のラブロマンスだけでなく笑いも散りばめられていて。やっぱり、そこはこの映画の立役者である犬の存在が凄いです。本当に意思があるんじゃないかってくらいの動きや表情をしてるのが、さすがの演技。クライマックス前のある事件では物語を転がす重要な役割を担ってるのが凄いです。
ただ、トーキーの時代が来て主人公はサイレント映画を作って大ゴケして落ちぶれていきますが。ここから主人公のマイナスの話ばかり続いて、ずっとうなだれているので少しテンポが落ちてしまったような気もしました。
ぺピーの新作を観に入った映画館でトーキー映画の面白さに気づいて、もはや自分の存在意味をなくしてしまう主人公。ここら辺の気持ちは本当によくわかって、どの時代でも時代の流れについていけず去っていく人物がいるものだと考えながら見てしまいました。
そして自暴自棄になって持っていたフィルムを全部燃やしてしまいますが、1つだけ絶対に離さない大事にしているフィルム。何故、このフィルムを大事にしてるのか? それがわかったときの感動。ぺピーとの繋がり。そして主人公を救ったぺピーが彼との競演を望むために動くクライマックス。
サイレント映画なのに見せ場になるとトーキー映画になって音が入り込んでくるところなど意表をついてきて面白かったです。このラストカットの意味は、ひねりがきいていて素晴らしいエンディングで最高でした。
楽しく笑えて100分間で素晴らしい映画でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2012/04/15 TOHOシネマズ南大沢
監督 | ミシェル・アザナヴィシウス |
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脚本 | ミシェル・アザナヴィシウス |
出演 | ジャン・デュジャルダン |
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ベレニス・ベジョ | |
ジョン・グッドマン | |
ジェームズ・クロムウェル | |
ペネロープ・アン・ミラー |