映画【てんてん ずっと独身でいるつもり?】感想(ネタバレ):淡々と描かれる日常と人生

tenten Zutto Dokushin de Iru Tsomori
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●こんなお話

 他人の人生を途中から覗き込み、その日常を淡々と見届ける群像劇の話。

詳細ネタバレあらすじ

 ヤマダミサキは30歳の独身女性。20代の頃は半地下アイドルとして活動していたが、その後は仕事や居場所を転々とし、現在は友人の紹介でホームヘルパーとして働いている。恋人もいたが、浮気が発覚し、別れることになる。その際、ミサキは相手に「女の28から30は、10年分なんだよ!」と訴える。恋人との関係が終わり、仕事もうまくいかなくなるなか、ミサキは恋愛と仕事の両方で問題を抱える。

 葬儀社で働く38歳のシバは、との関わりを避けてきている。しかし、姉の一人息子を預かることになり、甥と暮らし始める。慣れない生活に戸惑いながらも、ミサキと関わるなかで、少しずつ甥との距離を縮めていく。

 46歳のデザイナー、シミズは、これまで仕事を優先して生きてきた。ところが、父親が倒れたことをきっかけに、仕事と介護をどう両立するのか、自分の人生をどう生きていくのかという問題に直面する。

 年齢も仕事も置かれた状況も異なるミサキ、シバ、シミズ。それぞれが恋愛や家族、仕事をめぐる問題に向き合いながら、自分の居場所を探していく。

 それぞれが少しずつ絡み合い、職探しや甥っ子との関係や自分の健康や仕事の悩みに直面して特に変わらず日常を過ごしておしまい。

●感想

 知らない人の人生が、こちらの知らないところで始まり、特に大きな区切りもないまま続いていく。そんな他人の日常を途中から覗き込み、しばらく眺めているような作品でした。

 正直なところ、元半地下アイドルで現在はホームヘルパーとして働くミサキにも、葬儀社で働くシバにも、デザイナーとして仕事を続けてきたシミズにも、あまり興味を持てませんでした。恋愛や仕事、家族との関係など、それぞれが抱えている問題は描かれていますが、登場人物たちの人生をもっと知りたいと思うほどの関心にはつながりませんでした。

 役者さんたちの自然なお芝居はよかったです。日常の会話や人との接し方に大げさな演技がなく、登場人物が実際に生活している様子をそのまま見ているような感覚がありました。物語を演じているというより、それぞれの人物が普段どおりに過ごしている姿を眺めているような印象です。

 一方で、物語には大きな盛り上がりがあまりなく、出来事も淡々と進んでいきます。約120分にわたって3人の日常や問題が描かれますが、私にはその流れに乗り切れないところがありました。登場人物たちの人生を追いかけているというより、知らない人たちの暮らしを少し離れた場所から眺めているような感覚が続きました。

 他人の人生を覗いているような作品の作り自体は理解できます。ただ、そこに描かれる人々の生き方や悩みに関心を持てるかどうかで、受け取り方が大きく変わりそうです。自然な演技は印象に残りましたが、物語そのものは単純に私の好みではない1作でした。

☆☆

鑑賞日:2026/10/24 Amazonプライム・ビデオ

監督箱田優子
脚本港岳彦
原作おかざき真里
出演森香澄
若葉竜也
香椎由宇
芋生悠
田村健太郎
黒沢あすか
笠島智
白川和子
眞島秀和
前田吟

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