●こんなお話
影の軍団として生きるタートルズだけど、前作の敵のシュレッダーが逃走して何か計画してるってんで、それを阻止する話。
●感想
冒頭から全開で走り出すタートルズたちのアクションが圧倒的で、息をつく暇もない勢いに圧倒されました。街を救ったという前作の功績があるにもかかわらず、いまだに人目を避けて暮らす彼らの姿にちょっとした切なさもありますが、そこにシュレッダーの脱獄という騒動が加わって一気に物語が加速。カーチェイスでは車が次々に吹き飛び、改造されたゴミ収集車で暴れ回るタートルズの姿がとにかく楽しく、アクションエンタメとしてのテンションはかなり高かったです。
1幕目まではそんな派手な展開が続き、純粋に楽しめましたが、しだいにアクションシーンが似たようなテンションで繰り返され、どれも大騒ぎしているだけに見えてしまい、徐々に失速していった印象でした。特にクライマックスのシーンでは、空から大量に敵が降ってきて地上が大混乱になる展開が、『アベンジャーズ』や『インデペンデンス・デイ』などで何度も観てきた構図と被ってしまい、新鮮さに欠けていました。
タートルズたちがその中を飛び跳ねて戦う姿はにぎやかですが、具体的にどうやって敵を倒しているのかがわかりづらく、緊張感やカタルシスはあまり感じられなかったです。物語としても、シュレッダーが脱獄し、子分もいないからと街のチンピラを勧誘するくだりに説得力がなく、そこに突然現れる脳みそ型のロボットも背景が不明なままで終始モヤモヤが残ったり。
敵側のカタキ役として登場する女性キャラも設定があいまいで、なぜその人物なのか、なぜそのポジションにいるのかが伝わってこなかったのが残念。猪とサイのミュータントとの戦闘シーンは一時的には盛り上がるものの、物語全体の流れに大きな影響を与えるわけではなく、その場限りの見せ場に留まっていたと思います。
また、タートルズたちの間でも「人間になりたい派」と「このままでいい派」に分かれて対立する展開が描かれますが、それがどう和解したのかも明確に描かれておらず、感情移入する前にすぐ終わってしまった印象を受けました。
その場その場のアクションやギャグは楽しく、エンタメ映画としての魅力は確かにありましたが、全体としては展開の粗さや設定の薄さが目立ち、作品としての満足感はやや物足りなさが残る1作でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2016/08/27 チネチッタ川崎 2018/06/25 Amazonプライム・ビデオ
監督 | デイヴ・グリーン |
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脚本 | ジョシュ・アッペルバウム |
アンドレ・ネメック |
出演 | ミーガン・フォックス |
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ウィル・アーネット | |
ローラ・リニー | |
スティーヴン・アメル | |
タイラー・ペリー | |
ノエル・フィッシャー |
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