映画【ゲド戦記】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 世界の均衡が崩れているという世界で父親を殺した王子が悪い魔法使いと戦う話。

●感想

 終始、暗くダークな作風で今までのスタジオジブリ作品らしくない内容なのはチャレンジングでよかったと思います。手嶌葵さんの歌唱を長いこと映すのとかもなかなかの冒険で凄いと思いました。

 ただやはり説明不足なストーリーやキャラクターが多くて、しかも終始地味な展開が続くので結構体感時間は長く感じました。それにスタジオジブリの作画も微妙にいつもと違う印象を持ってしまって、綺麗ではありますが、アクションシーンとかになると動きがのっぺりとしてしまって、素人目には詳しいことはわかりませんが、宮崎駿作品や高畑勲作品の映像だけで感動できるというものではなかったです。

 主人公が父親を殺すというショッキングな展開のツカミがあって、そこからなぜ父親を殺したのかというのは映画だけだと理解しにくく一体何だったんだろう? というのが主人公の背景に常に残ってしまい、かつ終始ボソボソ喋って暗く陰湿なキャラクターなので著しく感情移入しにくいまれにみる主人公像だと思います。

 世界の均衡が崩れていると大賢人の魔法使いが話してバランスを取り戻しているらしいという序盤から世界の均衡が崩れているというのがどういうものなのかがよくわかりにくく、麻薬が蔓延しているくらいの説明があるくらいで何をしたいのかが映画全体でわからないので、活劇的な見どころもあまりなく、全体的にぼんやりしているので普通に面白くはなかったです。

 カタキ役がお城と主人公たちの住んでる家を行ったり来たりするくらいで、その間に主人公のうじうじとカタキ役もボソボソ聞こえないボリュームで喋ってるのでだんだんどうでもよくなる展開が続きました。

 主人公のドッペルゲンガーみたいなのは一体何だったんだろう。本当の名前を教えるうんぬんというのは何だろう? 冒頭の人間界に現れたドラゴンの殺し合いは何だろう? というはてなマークの展開が多くて映画の中だけではないことも調べないといけない映画ですが、それを知りたくなるようなものでもないのが残念でした。

 手嶌葵さんという歌手を発掘したのは唯一よかった映画だと思いました。

鑑賞日:2021/04/12 日本テレビ

監督宮崎吾朗 
脚本宮崎吾朗 
丹羽圭子 
原作アーシュラ・K・ル=グウィン 
原案宮崎駿 
出演(声)岡田准一 
手嶌葵 
菅原文太 
田中裕子 
小林薫 
夏川結衣 
香川照之 
内藤剛志 
倍賞美津子 
風吹ジュン 

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