映画【スーパーマン】感想(ネタバレ):黄金の麦畑から夜空のランデヴーまで映像美に酔いしれる映画体験

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●こんなお話

 クリプトン星からやってきた赤ちゃんが成長してヒーローになるまでの話。

●感想

 アメコミの世界観が色濃く描かれる冒頭から、ジョン・ウィリアムス御大によるあの有名なメインテーマが堂々と響き渡ります。この音楽が流れ始めただけで、胸が熱くなる方も多いのではないでしょうか。作品全体に漂う壮大な空気感と相まって、この導入だけでも映画としての完成度の高さを感じさせます。まさにこの一点だけでも、映画の価値は十分に成り立っていると感じました。

 しかしながら、2時間30分に及ぶ物語は少々長尺に感じる部分もあります。クリプトン星の運命が揺れ動く壮大な危機から始まり、地球での幼少期や孤独を抱えた高校生活、そして自らがクリプトン星人であることに気づき、やがてスーパーマンとしての使命を受け入れていくまでの過程が丁寧に描写されています。主演のクリストファー・リーブが登場するのは物語の折り返し地点にあたる50分あたりからで、その存在感が一層作品に深みを加えています。

 物語は彼が新聞社に就職し、スーパーパワーを持ちながらもそれを隠すためにあえてドジを装う様子がコミカルに映し出されます。そのギャップが観客の笑みを誘い、親しみやすいキャラクター造形に成功しています。そこへ自称天才科学者レックス・ルーサーが登場し、緊迫感とスリルが一気に高まるのも見どころの一つです。

 映像美も特筆すべきポイントです。黄金色に輝く広大な麦畑での幼少期のシーンは、温かくノスタルジックな気持ちにさせてくれます。また、ヒロインとの夜空のランデヴー飛行は幻想的で情感豊かに描かれ、スクリーンに映し出されるその光景は、まさに映画の魔法を感じさせるものでした。

 何よりも、ヒーローの真骨頂とも言えるスーパーマンの八面六臂の活躍は圧巻です。悪役であっても殺害することなく、正義を貫く姿勢は多くの人々の心に響き、清々しい印象を残します。完璧なヒーロー像として、理想的なモデルの一つといえます。

 ただ、一方で物語の中で時間を巻き戻したり、鉛が弱点だと自ら明かすという少しお茶目な部分には思わず突っ込みたくなる瞬間も。ですが、そのおっちょこちょいな一面も含めて、柔らかく宙を舞う飛行シーンと相まって、楽しく魅力的なヒーロー物語に仕上がっていると感じました。

☆☆☆☆

鑑賞日:2014/03/27 Blu-ray

監督リチャード・ドナー 
脚本マリオ・プーゾ 
デイヴィッド・ニューマン 
レスリー・ニューマン 
ロバート・ベントン 
原案マリオ・プーゾ 
出演マーロン・ブランド 
ジーン・ハックマン 
クリストファー・リーヴ 
ネッド・ビーティ 
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