映画【新幹線大爆破】感想(ネタバレ):止まれば爆発!日本版骨太パニック映画

Bullet Train (1975)
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●こんなお話

 1500人だか乗った新幹線に80キロ以上出るとスイッチが入って80キロを切ると爆発する爆弾を仕掛けたってんで、国鉄、現場の新幹線、警察、犯人の攻防の2時間30分の話。

詳細ネタバレあらすじ

 北海道夕張付近で貨物列車に爆弾が仕掛けられる。犯人は古賀勝で、爆弾の作動を確認した古賀は東京にいる沖田哲男へ連絡する。沖田はかつて精密機械工場を経営していたが、工場の倒産によって生活基盤を失っていた。大城浩は沖田の工場で働いていた元従業員で、沖田、古賀、大城の3人が国鉄を相手にした計画を進めていた。

 午前9時48分、東京駅から博多へ向かうひかり109号が、約1500人の乗客を乗せて出発する。列車が相模原付近を走行しているころ、国鉄本社公安本部に109号へ爆弾を仕掛けたという電話が入る。犯人は、列車の速度が時速80キロ以下になると爆弾が自動的に爆発すると伝える。さらに、爆弾が実際に作動することを示すため、北海道を走る貨物列車に仕掛けた爆弾を爆発させる。

 国鉄側は脅迫が事実だと判断。運転指令長の倉持は運転士の青木に事情を伝え、ひかり109号を時速80キロ以下に減速させないよう指示する。警察庁刑事部長の須永や公安本部長の宮下らも対策本部に集まり、列車の安全確保と犯人の捜索を同時に進める。

 犯人側は国鉄に500万ドルを要求する。金を支払えば爆弾を解除する方法を知らせるという条件を提示し、沖田は国鉄側と電話で受け渡し方法を指定する。

 警察は現金の受け渡し場所を監視し、犯人の逮捕を狙う。大城が現金を受け取る役を担当し、受け渡し中に大学の柔道部が現れてピンチになり、現金を残して逃走する。大城はオートバイで逃げるが、警察車両に追跡され、最終的にパトカーと衝突して死亡する。大城から爆弾の解除方法につながる手掛かりを得ることはできず、沖田は残った古賀と計画を続ける。

 一方、ひかり109号は通常の新幹線運行とは異なる速度を維持したまま走行を続ける。停車できないため、名古屋など予定していた駅を通過する。乗客の間では列車が停車しないことへの不満が広がり、車内は混乱する。

 乗客の一人である平尾和子は名古屋で降りる予定だったが、列車が停車しないため降車できない。その後、和子が流産して輸血が必要になるなど、車内でも対応すべき問題が発生する。

 車内では乗客の一部が列車を止めようとする動きも起こる。鉄道公安官の菊池は乗客に事情を説明する必要があると判断し、車内放送で爆弾が仕掛けられていることを知らせる。列車を止めれば爆発する可能性があるため、乗客に列車を止めないよう協力を求める。

 警察は北海道の貨物列車爆破事件から犯人の手掛かりを探す。現場に残された証拠から古賀の身元が判明し、警察は古賀の行方を追う。古賀は逃走中に負傷するが、沖田のもとへ戻る。

 大城を失ったことで沖田は計画を中止することも考えるが、古賀は計画を続けるよう求める。沖田は国鉄側へ再び連絡し、500万ドルの受け渡しを指示する。

 沖田は警察の監視をかわすため、現金を受け取る場所と方法を細かく指定する。警察側では現金を運ぶ刑事を使って犯人を捕まえようとするが、犯人側は周囲の状況を利用して警察の追跡をかわす。沖田は最終的に500万ドルを手に入れる。

 沖田は国鉄側へ連絡し、爆弾の解除方法を記した図面を喫茶店に預けたと伝える。警察が図面を回収するため喫茶店へ向かうが、到着する前に店で火災が発生し、図面は焼失する。国鉄側は沖田から知らされた解除方法を利用できなくなる。

 そのころ警察は、爆弾に使用された部品などから沖田の過去の工場へ捜査を進める。沖田の関係先が警察に突き止められ、捜査員が沖田たちのいる場所を包囲する。

 古賀は警察に逮捕されることを避け、沖田を逃がすためにダイナマイトを使う。警察が周囲を包囲する中で古賀はダイナマイトで自爆する。沖田はその場から逃走し、500万ドルを持って国外へ逃げる準備を進める。

 ひかり109号では、爆弾を解除できないまま走行が続く。列車は時速80キロを下回ることができず、運転士の青木と運転指令長の倉持は、列車の速度と他の列車の運行を調整しながら博多方面へ進む。

 国鉄側は沖田から解除方法を聞き出すため、テレビを通じて沖田へ呼びかける。倉持も沖田に対して爆弾を解除するための情報を提供するよう訴える。

 同時に、走行中のひかり109号を高速度カメラで撮影する作業が行われる。撮影した映像を調べた結果、列車の車体下部に取り付けられた爆弾の位置が特定される。

 爆弾の位置が判明すると、ひかり109号と並行して別の新幹線を走らせ、そこから爆弾処理に必要な機材を移す作業が始まる。酸素ボンベや溶接器などを使用し、走行中のひかり109号の床を切断して爆弾に接近する。

 乗務員と作業員は走行を続ける列車の中で爆弾を処理し、最終的に爆弾の解除に成功する。爆弾が解除されたことで、ひかり109号は停止できる状態になる。しかしもう1つ爆弾が設置されているかもしれない写真が見つかるが、国鉄側は列車を停止させる判断を下し、ひかり109号は停止する。乗客は列車から降り、約1500人を乗せた新幹線の爆発は回避される。

 一方、沖田は偽名を使って羽田空港へ向かい、海外旅行団に紛れて国外へ逃亡しようとする。警察は沖田の行方を追い、空港で沖田を待ち受ける。

 警察は沖田の元妻と息子の賢一を利用して本人確認を行う。空港に現れた賢一が沖田に声をかけたことで、沖田が本人だと確認される。沖田は空港から逃走するが、警察に追跡される。沖田は逃げ続けるが、最終的に警察官から銃撃を受けて倒れておしまい。

●感想

 ある男が新幹線の基地へ侵入する場面から始まり、新幹線に乗る乗客や乗務員の日常を描いたあと、「ひかり109号に爆弾を仕掛けた」という電話が入ります。そこから列車を止められない状況が発生し、犯人側、国鉄、警察、乗客それぞれの動きが同時進行していきます。

 速度を落とせないだけではなく、他の新幹線とのすれ違いや駅の通過など、運転指令室が次々に判断を迫られます。現場の運転士だけではなく、運転指令長を中心とした国鉄職員が対応していくため、新幹線そのものを巨大な装置として見せるパニック映画になっています。

 警察側の捜査も同時に進みます。丹波哲郎さんが演じる須永刑事部長は、現在どこで何が起きているのかを説明する台詞が多い役ですが、状況を整理して伝える芝居が非常にわかりやすかったです。警察上層部の対応から現場の刑事たちの捜査まで描かれるため、列車の中だけで話が進まないところもよかったです。

 犯人側では、高倉健さん演じる沖田を中心に、大城、古賀の3人がそれぞれ違った役割を担当しています。3人が事件を起こすまでの経緯も描かれるため、単純に新幹線を爆破しようとする犯人というだけではなく、それぞれが事件に参加するまでの背景まで描かれています。

 そして、ひかり109号の乗客が少しずつ状況を知っていく展開も印象に残りました。最初は列車が停車しないことへの不満だったものが、爆弾が仕掛けられていると知らされたことで、車内の状況が変化します。さらに和子の流産や、列車を止めようとする乗客など、走り続けること自体が問題になっていきます。

 一方で、何度見ても気になったのは現金の受け渡しシーンでした。警察が犯人を捕まえようとしているところへ大学の柔道部員が通りかかり、そのことで大城が逃走する展開はかなり強引に感じました。その後のバイクによる逃走と事故まで含めて、今見るとかなり大胆な展開です。

 警察側にもかなり豪快な失敗があります。爆弾解除のための図面を置いた喫茶店が火事になってしまったり、古賀を追跡する場面で犯人を取り逃がしたりと、捜査が思うように進みません。その一方で、国鉄側は走行中の新幹線を撮影して爆弾の位置を特定し、別の新幹線を並走させて爆弾を処理するところまで進めます。

 終盤になるにつれて、ひかり109号が停止できる時間が近づいていくため、車内の乗客だけではなく、運転指令室や捜査本部まで含めて状況が切迫していきます。約1500人を乗せた新幹線が走り続け、その裏側で警察と犯人が動き続ける構成は、現在見ても非常にわかりやすいです。

 152分という長さはありますが、列車の運行、警察の捜査、犯人たちの行動、乗客の混乱を並行して描いていくため、展開が途切れませんでした。特に「止まったら爆発する」という単純で明確なルールを最後まで使い続けることで、列車が走っているだけでも緊張感が続く1作でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2014/08/21 DVD 2025/04/16 NETFLIX 2026/09/14 U-NEXT

監督佐藤純彌 
脚本小野竜之助 
佐藤純彌 
出演高倉健 
山本圭 
織田あきら 
郷えい治 
宇津宮雅代 
菅原安人 
風見章子 
森みつる 
田中邦衛 
渡辺耐子 
宇津井健 
千葉真一 
小林稔侍 
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