映画【その街のこども 劇場版】感想(ネタバレ)

sonomachi
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●こんなお話

 阪神淡路大震災を経験した人たちの話。

●感想

 物語は新神戸の駅で偶然出会った男女が翌日にある追悼式までの朝を震災当時の状況や現在の心境や悩みを夜の街をあるきながら語らうというものです。

 10歳のときに震災に遭った男は、父親が建築の仕事をしていて震災特需でお金をもうけたことが心の傷になっていて。女性のほうは中1のときに被災して親友を失ったことが心の傷になっている。

 会話が本当に脚本があるのかと思ってしまうくらい自然な流れで、特に序盤の居酒屋で仲良く喋っていたのに男の父親が震災当時で金儲けした自慢をしたことによって気まずくなる空気なんか最高で、さっきまでの距離感とは一気に変わってしまう様子なんかは見ていてこっちまでいたたまれない気持ちになってしまうくらいでした。

 その後、女性の祖母の家まで歩いていくことにする2人。夜の誰もいない道を歩くというだけですが、友だちや会社や震災への想いなどを自然に着飾ることなく語り合って、それに対しての答えも明確にすることなくて本当に自然に見入ってしまう内容ですごかったです。

 追悼セレモニーにやってきたところで、男は「参加をしない」という選択をします。どうして参加しないのかというこれにも明確な答えがありませんが、今までの2人の会話を聞いているとそれもわかるような気がしました。

 人の会話を盗み聞いているような錯覚をさせてくれる良い映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/11/25 DVD

監督井上剛 
脚本渡辺あや 
出演森山未來 
佐藤江梨子 
津田寛治 
白木利周 
中川光子 
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