映画【ソナチネ】感想(ネタバレ)

sonatine
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●こんなお話

 東京のヤクザが沖縄のヤクザの助っ人にいって殺し合いをしながらも沖縄の景色の中くだらない遊びをしていく話。

●感想

 主人公のヤクザは「ヤクザ辞めたくなっちゃったなぁ」とボヤき冒頭で人をクレーンで海に入れて殺してしまう恐ろしい男。けれど人を殺したりするときは無表情。
 親分の命令で沖縄に行くけどすることがなくて隠れ家で過ごすことになる。ここから沖縄の真っ青な海に白い砂浜の圧倒される景色の中、スクリーンにポツンと人が映ってたりする綺麗さったらないです。

 そして主人公は東京のときと打って変わって表情が豊かになり、くだらない遊び、自分たちで紙相撲やったり花火撃ちあったり。落とし穴ってこんなに面白いんだと、大杉蓮さんが落とし穴にハマるだけで笑ってしまうという。主人公と子分が楽しそうに遊んでいるのを眺めている大杉蓮さんの表情もよかったです。
 子どものような表情で遊ぶヤクザたち。けれど再び殺し屋に狙われてヤクザの世界へと戻っていくと無表情に戻る。
 全員を殺して全員殺され、何もなくなってしまったラスト。放心してしまったような表情で空っぽになってしまった心。何ともやるせなく映画でした。
 それは主人公が言う「あんまり死ぬの怖がってるとな、死にたくなっちゃうんだよ」という台詞にあるように、強がってるけど実は弱い人。生きる希望が見いだせない人が見ると、主人公の行動がグサリと突き刺さる映画でした。暴力を描いているけど、全員不幸になる反暴力の映画でもあると思いました。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2013/09/30 DVD

監督北野武 
脚本北野武 
出演ビートたけし 
渡辺哲 
勝村政信 
寺島進 
国舞亜矢 
南方英二 
逗子とんぼ 
矢島健一 
大杉漣 
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