映画【静かなる決闘】感想(ネタバレ)

shizukanaru-ketto
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●こんなお話

 梅毒に感染しちゃったお医者さんの話。

●感想

 野戦病院で治療中に性病に罹ってしまって、婚約者と別れを告げて、ひたすら医療にのめり込む行動をする医者の話ですが。あまり主人公の医者に魅力がなく、むしろ踊り子で妊娠していて、主人公に拾われて病院で看護師として働く女性がとても魅力的でした。

 彼女の目線で主人公やその周りの人たちを見つめていけばいいと思いますが、誰に対しても引いた目線で物語は展開します。
 病気になってしまったために婚約者とも触れ合うことができず、一方的に別れを言いますが。ここで何故、正直に病気になってしまったことを言わないのかがよくわからなかったです。婚約者は「何があったのか言って欲しい」と泣いて頼むのに、何も言わずに離れる主人公。女性に何の選択肢を与えないのは、これは時代なのか黒澤映画特融の男性映画だからかわからなかったです。

 とはいえ、中盤、診察室で看護師に対して何故自分だけがこんなに目に遭うのかと苦悩する主人公の三船敏郎さんの長台詞は圧巻で素晴らしかったです。いきなり自分の悩みを言う映画ではなく、耐えて耐えて最後に爆発する気持ち。作劇としてよくできていると思いました。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/03/02 Hulu

監督黒澤明 
脚本黒澤明 
谷口千吉 
出演三船敏郎 
志村喬 
三条美紀 
千石規子 
植村謙二郎 
中北千枝子 
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