映画【ソウ】感想(ネタバレ):密室と暴かれる真実のパズル

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●こんなお話

 浴室に監禁された男2人が脱出しようとする話。

詳細ネタバレあらすじ

 アダムは、古いバスルームの浴槽の中で目を覚ます。右足首には鎖がつけられており、浴槽から離れることができない。部屋の反対側には、同じように足首を鎖でつながれた医師ローレンス・ゴードンがいた。二人の間には、頭から血を流して倒れている男が横たわっており、その手には拳銃とマイクロカセットレコーダーがある。

 アダムとゴードンは、それぞれのポケットからマイクロカセットテープを見つける。アダムは部屋の中央にあるレコーダーを使ってテープを再生する。アダムには部屋から脱出するために行動するよう指示があり、ゴードンには午後6時までにアダムを殺すよう指示されていた。ゴードンが時間内にアダムを殺さなければ、妻のアリソンと娘のダイアナが殺される。

 部屋の中には、いくつかの手掛かりが残されている。二人はトイレのタンクから袋を取り出し、中に2本のノコギリが入っていることを確認する。アダムはノコギリを使って鎖を切ろうとするが、鎖は切れない。ゴードンは、ノコギリが鎖ではなく足を切断するためのものだと推測する。

 ゴードンは、自分たちを監禁した人物が、警察からジグソウと呼ばれている人物だと話す。ゴードンは以前、ジグソウ事件に関連して警察から事情聴取を受けていた。

 過去、タップ刑事とシン刑事は、ゴードンの勤務先を訪れ、殺人現場からゴードンのペンライトが見つかったと伝える。ゴードンは事件当時の行動について質問を受けるが、アリバイが確認され、釈放される。

 ゴードンは警察で、ジグソウのゲームを生き延びたアマンダの事件について知らされる。アマンダは目を覚ますと、頭部に装置を取り付けられていた。装置を外すための鍵は、同じ部屋にいる男の体内にあると指示される。アマンダは男の腹部を切り開いて鍵を取り出し、装置を解除する。

 タップとシンはジグソウを追跡し、ある建物へ向かう。二人は拘束された男性を発見し、その場にいた人物を追い詰める。シンは拘束された男性を助けようとするが、タップは犯人と格闘になり、首に傷を負う。犯人はその場から逃走する。シンは犯人を追跡するが、仕掛けられていた罠によって死亡する。

 その後、タップは警察を離れ、ゴードンの行動を監視していた。タップはアダムに金を払い、ゴードンの写真を撮らせていた。

 アダムとゴードンは、部屋の壁に隠された箱を見つける。箱の中には携帯電話、タバコなどが入っている。携帯電話は着信専用で、外部へ電話をかけることはできない。

 ゴードンはタバコを使い、アダムを死んだように見せかける方法を試す。二人は部屋の明かりを消し、監視されていないように見せかけて作戦を実行する。アダムは死んだふりをするが、足首の鎖に電流が流れ、作戦は失敗する。

 その後、携帯電話に着信がある。電話をかけてきたのは監禁されているアリソン。アリソンはゴードンに、アダムを信用しないよう伝える。

 アダムは、以前からゴードンを尾行し、写真を撮影していたことを認める。アダムに写真撮影を依頼したのはタップだった。アダムはゴードンが病院以外の場所で女性と会っている写真を撮影していた。

 アダムが持っていた写真を確認すると、アリソンとダイアナを監禁している男の姿が写っている。ゴードンはその人物を、自分の勤務先で働いているゼップだと認識する。

 午後6時になると、ゼップはゴードンの自宅でアリソンとダイアナを殺そうとする。アリソンは拘束を解き、ゼップと争う。自宅の外から監視していたタップは室内へ入り、アリソンとダイアナを助ける。

 ゼップは家から逃走し、タップは後を追う。タップとゼップは下水道施設へ移動し、そこでゼップがタップを撃つ。タップは倒れ、ゼップはバスルームへ向かう。

 バスルームでは、ゴードンが電話越しに聞こえる揉める音と銃声を聞いている。ゴードンは足首の鎖から逃れるため、ノコギリを使って自分の足を切断する。鎖から離れたゴードンは、部屋の中央に横たわっている男のそばにあった拳銃を手に取る。

 ゴードンは拳銃を使ってアダムを撃つ。アダムは床に倒れる。ゼップがバスルームへ入ってくる。ゼップはゴードンを探すが、倒れていたアダムは生きていた。アダムはトイレのタンクのふたを手に取り、ゼップを殴る。ゼップは死亡する。ゴードンは助けを求めにバスルームを這って出る。

 アダムはゼップの持ち物からマイクロカセットテープを発見する。テープを再生すると、ゼップもジグソウの指示を受けて行動していたことが明らかになる。ゼップの体には毒が投与されており、指示に従う必要があった。

 その直後、部屋の中央に横たわっていた男が動き出す。死んでいると思われていた男は立ち上がり、ゴードンの患者だったジョン・クレイマーだと判明する。

 ジョン・クレイマーがジグソウだった。ジョンは、アダムの足首の鎖を外す鍵は最初から浴槽の中にあったと話す。アダムが最初に浴槽で目を覚ました時、浴槽の水を抜いたため、鍵も排水口へ流れてしまっていた。

 アダムはゼップの拳銃を手に取り、ジョンに向ける。しかし、ジョンは装置を操作し、アダムの足首の鎖に電流を流す。アダムは動けなくなる。

 ジョンはバスルームの出口へ向かう。アダムは助けを求めるが、ジョンは「ゲームオーバー」と告げる。ジョンは扉を閉め、アダムをバスルームに残して去っておしまい。

●感想

 真っ暗な部屋に2人の男が閉じ込められている。目の前には見知らぬ死体が横たわり、床にはカセットテープが置かれていて、そこから無機質な声が2人に語りかける。この不可解な状況から物語が始まる。登場人物も少なく、舞台もほぼ1室だけというミニマムな設定のなかで、観客の興味をぐいぐい引っ張っていく構成が印象的。

 閉じ込められたのは、外科医とカメラマンという立場も性格も異なる2人。それぞれに背景があり、過去の出来事が徐々に明かされていく構造になっている。2人の回想を通じて、浮気現場を写真に撮られたり、殺人事件の関与が疑われたりと、それぞれの過去が現在の状況とつながっていくのが興味深く描かれていた。全体として、犯人の思惑が見えてこない不安感と、「なぜこの2人がここにいるのか?」という疑問が、観ている側の興味をずっと引きつけてくれます。

 物語の途中では、部屋の中にある限られた道具や情報を頼りに、2人が脱出を試みる展開も描かれる。ある発見が希望をもたらすかと思えば、次の瞬間には一転して絶望へと突き落とされる。その繰り返しが続くことで、精神的にも肉体的にも追い詰められていく2人の姿がとても印象に残りました。

 一方、外では警察による捜査が並行して描かれ、連続する猟奇殺人事件の背景を追いかける様子がもう1つの物語の軸になっている。捜査線上に浮かび上がってくるのは“ジグソウ”という謎の人物で、彼が一連の事件の首謀者ではないかと目されていく。この2つの物語の時間軸が、実は単純な並行ではなく、少しずつずらされて構成されていたということが、ラストで明かされる構造になっており、その仕掛けが見事だと感じました。

 ただし、2人芝居が続く密室劇ということもあり、途中はやや停滞感を覚える場面もありました。登場人物の感情の振れ幅が激しく、特に叫び声が多くなるシーンでは、やや気持ちが引いてしまうような瞬間もありました。演出として意図的に感情を高ぶらせているのだとは思いますが、観ていて疲労を感じる方もいるかもしれません。

 また、終盤で登場人物が突如、自分の過去の記憶を思い出す展開についても、やや唐突な印象を受けました。伏線としての積み重ねが少ない状態で突然回想が入るため、観ていて「なぜ今その記憶が蘇るのか」と首をかしげる部分もありました。

 とはいえ、終盤の展開は非常にスリリングで、これまでばらまかれていた情報が一気につながっていく高揚感はありました。ラストに流れる特徴的なテーマソングとともに、物語が一気に加速し、ここまでの展開が一つのイメージとして回収されていく演出には強く心を動かされました。スリラーとしての構成力や視覚的な引力も強く、観終わったあとの余韻もしっかりと残る作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/03/25 Blu-ray 2023/04/22 NETFLIX 2026/09/01 U-NEXT

監督ジェームズ・ワン 
脚本リー・ワネル 
出演リー・ワネル 
ケアリー・エルウィス 
ダニー・グローヴァー 
モニカ・ポッター 
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