●こんなお話
【メリーポピンズ】の制作秘話の形をとりながら、【メリー・ポピンズ】映画化にいろいろ口を出す原作者の女性と娘のために映画化したいというウォルト・ディズニーの話。
●感想
映画化の許可を出したものの製作に口うるさく干渉してくる原作者と振り回される製作者たち。というのと原作者の幼少時代を同時進行で描くことで、何故そこまで譲らない姿勢になったのか? が描かれていきます。
原作と映画は違う。というものだと思いますが、この主人公は何でもかんでも口を出してくる。確かに人格に問題があっても作り出す作品は素晴らしかったら、それでオッケーで、作品と人は違うと思いますが。いちいち口を出して無理難題を言うのは別にかまわないですが、飛行機に乗って鞄の位置を譲ってくれた赤ん坊を抱いたお母さんにお礼も言わずに「泣かないように気を付けてね」なんて言ってしまうのはいかがなものだろうか? と思ってしまいます。最初はそういう人格だったのが映画が終わるころには変化してほしかったです。
主人公のエマ・トンプソンさんを始め、トム・ハンクスさんポール・ジアマッティさんをはじめとするディズニーの製作者さんを演じた役者さんたちみなさん素晴らしかったです。
丁寧に展開する演出にイギリスの風景や主人公の幼少時代の美しい景色。1961年が現在で、イギリス人の主人公の幼少時代になると西部開拓時代みたいな文化で、イギリスってそんななの? と疑問に思ってたら、実は……でした。素直に感動できて、泣ける映画だったと思います。
けれども、大好きだった父親に対する愛と死。その時の梨。
罪悪感で自分の物語に入り込んで逃げてた人生をウォルト・ディズニーに見抜かれてのクライマックス。ここも長台詞で見せるのは確かに感動できますが。それも、トム・ハンクスだから。という理由でしか見られなかったです。
ディズニーさんの話を聞いて、本当の気持ちを見せてしまうというのも、ちょっと唐突に見えてしまって入り込めなかったです。
結局、この映画を見て、【メリー・ポピンズ】の原作者さんよりウォルト・ディズニーさんのほうが人格的にも創作者としても格上なんだなとわかる映画でした。【メリー・ポピンズ】を知っていて、人生で【メリー・ポピンズ】に触れていたら、もっと感じる部分がある映画だと思いました。そしてロンドンにも桜ってあるんだ、と勉強になりました。
☆☆☆
鑑賞日: 2014/03/30 イオンシネマ多摩センター
監督 | ジョン・リー・ハンコック |
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脚本 | ケリー・マーセル |
スー・スミス |
出演 | トム・ハンクス |
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エマ・トンプソン | |
コリン・ファレル | |
ポール・ジアマッティ | |
ジェイソン・シュワルツマン |