●こんなお話
劉備が曹操を頼ってたけど対立することになったり、天才軍師の諸葛孔明と出会ったり、荊州に行ったり袁紹を頼ったり、呉の孫権を頼ったり、なかなかの流浪の民っぷりを発揮する間にいろいろある話。
●感想
劉備が呂布を討ち取り、その後曹操のもとへ身を寄せる場面から物語は大きく動き始めます。劉備は将来、曹操の強力なライバルとなることを警戒されつつも、帝より曹操討伐の詔を受けて対立が深まっていきます。しかし、劉備には自身の城がなく、軍勢も分散してしまう厳しい状況に置かれてしまいます。
そんな中、関羽が曹操に捕らえられる場面は非常に印象的でした。武人としての誇りを持ち、懐柔されそうになりながらも劉備のもとへ千里の道を一人で戻るという有名な「関羽千里行」が描かれます。青野武さんの渋い声が関羽の勇壮さを見事に表現していて、そのかっこよさに思わず惚れ惚れしました。
また、袁紹のもとを去り劉備の陣営に加わる趙雲も大きな見どころです。彼が敵陣から劉備の子どもを単身救い出す名場面は感動的で、同時に張飛が橋の上で大活躍するシーンも見逃せません。特に劉備の子どもを高く投げ捨てる演出には驚かされ、戦いの緊迫感が鮮やかに伝わってきました。
物語がさらに深まると、ついに諸葛孔明が登場します。ここからは孔明が劉備を支え、呉との協力のために単身乗り込む姿が主人公のように描かれます。呉の大都督・周瑜との知略を巡る駆け引きも見応え十分で、周瑜が何かと孔明を排除しようと試みるも、その度に失敗するやり取りは微笑ましくもありました。
そして迎えた赤壁の戦い。曹操の大敗北は圧巻の迫力で描かれ、関羽がまたしても曹操を見逃すという場面も印象深いです。その後、関羽がその償いとして荊州を奪い取る展開には複雑な思いが巡ります。劉備が最初は荊州を取ることを否定していたのに、あっさりと状況を受け入れてしまうあたりには、もう少し芯のある態度を見せてほしいと感じてしまいました。
全体として、アクションシーンのアニメーションは躍動感にあふれ、独特の動きで大迫力の戦闘が繰り広げられています。見せ場も豊富で、第一部と同様にダイジェスト的な部分もありますが、140分の上映時間は飽きることなく興味深く鑑賞できる仕上がりです。
☆☆☆☆
鑑賞日:2020/12/28 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 勝間田具治 |
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監修 | 舛田利雄 |
脚本 | 笠原和夫 |
出演(声) | 渡哲也 |
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あおい輝彦 | |
石田太郎 | |
青野武 | |
山口崇 | |
柴田秀勝 | |
潘恵子 | |
杉山佳寿子 | |
堀秀行 | |
中田浩二 | |
中西妙子 | |
田中康郎 | |
金内吉男 |