映画【リバーズ・エッジ】感想(ネタバレ):1990年代の高校生たちが抱える闇を描いた衝撃の青春映画

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●こんなお話

 高校生がいろんな問題を抱えている話。

●感想

 時代設定はおそらく1990年代あたりと思われますが、この時代の高校生が本当にこんなにも多くの問題を抱えていたのかと、次々に飛び出す衝撃の設定に驚かされっぱなしの作品でした。

 恋愛関係も複雑で、好きでもない相手と付き合っていたり、浮気していたり、避妊せずにセックスを繰り返した結果、妊娠してしまったり。同性愛を隠すために表向きは女の子と付き合う男子生徒や、嫉妬に狂う彼女、モデルとして活動する女の子が抱える過食症の問題、さらにはミイラ化した死体を見つけて宝物のように扱って興奮するという場面まで。登場人物たちはどこか冷静にふるまっていますが、物語自体はまるでジェットコースターのように展開していき、観ているこちらは常に翻弄されました。

 特にゲイの少年が、焼け焦げた死体を見てニヤリと微笑むシーンや、死体を大切な宝物のように抱える様子にはかなりの不気味さがありました。妊娠してしまった少女が手術費用を求めたところ、逆に首を絞められて命を落としかけ、ようやく帰宅したら今度は太ったお姉さんにカッターで滅多刺しにされるという、もはやホラーの領域。それでも生きていたという展開には唖然としました。

 映画全体に漂うのは、タバコ、ドラッグ、セックスといった刹那的で衝動的な若者の姿。学校生活や授業の描写は一切なく、ただひたすらに欲望のままに動く高校生たちの姿を見せつけられ、いったいどういう心構えでこの映画を観ればいいのか、戸惑うばかりでした。

 ただ、ここまで極端な若者像を描くことで、逆に「現実の自分たちの生活はどれほど安定しているのか」「本当に大切にするべきものとは何か」を考えさせられる側面もある、そんな一作だと思いました。

☆☆

観賞日: 2018/11/28 Blu-ray

監督行定勲 
脚本瀬戸山美咲 
原作岡崎京子
出演二階堂ふみ 
吉沢亮 
上杉柊平 
SUMIRE 
土居志央梨 
森川葵 

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