●こんなお話
侍が自分の仕事をバカにされて決闘となってそこの一族とトラブルになる話。
●感想
朝もやの中で竹矢来を作り始めている人たちがいて何やらイベントが行われようとしている。時間軸が戻って並べられた槍を見て「くもりがかっている」とバカにする。すると主人公の格下の侍がその言葉に怒る。その言われた相手も格下に言われたものだからキレて果たし状を後日送る。
決闘が行われて主人公が対戦相手を斬ってしまう。上司たちはとりあえず2人の乱心したということにして、主人公をお寺に預ける。この時のお寺の和尚さんの適当っぷりが笑えます。
主人公は髭だらけになりながら軟禁状態になる。娘さんといい感じに恋仲になったり。一方斬られた一族は納得がいかなくて、長男が斬られたから次男坊が主人公を斬ろうと決心する。主人公がその噂を聞いて近所の人に相手がやってきたらすぐに報告しろと待ち伏せの構え。
そしてやってきた次男と決闘して相手が上段の構えから振り下ろしてきた刀が木の枝に引っかかったところを斬りつけて殺害。
また人死にが出たので藩の偉い人たちはもうかばえないということで斬られた家の三男坊をリベンジ相手にして正式に決闘することに。しかも主人公には潔く斬られるようにと指示する。主人公の兄が上司や主人公のあいだでやつれるのが中間管理職的な辛さが伝わってくるプレッシャーでした。
そして三男坊に助っ人がいっぱいいる中、主人公は大立ち回りをするクライマックス。血まみれになりながら中村錦之助さんの鬼気迫るお芝居が見ものでした。主人公が亡くなり兄も切腹して果てているのを同僚が発見しておしまい。
侍社会の融通のきかなさ、偉い人たちの事なかれ主義など現代社会と同じかそれ以上に本音と建前のバカさを描いていて、それを竹矢来を組み立てて決闘会場の設営から始まってその決闘に至るまで何があるかを時間軸を交互に描いていく脚本の構成も興味が続くようになっていて面白い1本でした。個人的には主人公のお兄さんの田村高廣さんが弱弱しいお芝居も共感が持てるキャラクターになれるお芝居だと思いました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2022/09/10 U-NEXT
監督 | 今井正 |
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脚本 | 橋本忍 |
出演 | 中村錦之助 |
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田村高廣 | |
毛利菊枝 | |
木村俊恵 | |
佐々木愛 | |
神山繁 | |
丹波哲郎 | |
石立鉄男 | |
加藤嘉 |