●こんなお話
銀行強盗被害に遭った主人公が警察無視で独自に捜査して大騒動の話。
●感想
冒頭から銀行強盗が発生し、現場にいた銀行員の主人公がなぜか内通者ではないかと疑われてしまう。そこから自ら真相を探るための捜査を始めるという流れだが、捜査の過程が非常に簡略で、主人公とお隣さんであるブルース・ウィリスがホワイトボードの前で数分間資料を見ただけで、いきなり「犯人はこいつだ」と断定してしまう。このプロファイリングが全く理解できず、説得力に欠けていたと思います。
しかもそのまま通報するのかと思いきや、主人公たちはなぜか犯人を尾行し始め、結果として警備員が犯人に射殺される事態に。事件の予防にもならず、展開が強引に感じます。犯人側の動機もあまり掘り下げられておらず、認知症の父親を病院に入れているという背景から「国に見捨てられた兵士の家族の復讐」というような意図は感じられますが、実際には国の機関ではなく民間の銀行ばかりを狙っており、復讐の方向性が曖昧で感情移入しにくかったです。
犯人はやたらと重武装していたり、専門的な知識を持っている様子ですが、その背景や過去が全く語られないため、どういう人物なのかも不明なまま。アクション映画としてその点が弱く、もったいなかったです。主人公にしても、ただの銀行員のはずなのにやたらと銃撃戦が板についていて、まるで訓練されたエージェントのようで違和感が強かったです。
クライマックスでは白昼の銃撃戦が繰り広げられ、それ自体は見応えがあるものの、登場人物が少ないせいでどうしてもこじんまりとした戦いになってしまいました。また、ブルース・ウィリスが電話一本で協力を仰ぎ、どこからともなく現れる謎の助っ人たちと主人公が共闘しますが、その人たちが誰なのか説明がなく、唐突感が否めなかったです。
この手の映画ではよくあることかもしれないが、FBIや警察は全く役に立たず、ただ登場しては撃たれて退場するだけの存在。銃撃戦のシーンでも制服警官が数人現れては、何もできずに犯人に撃たれていくばかりだったのが残念でした。
見どころとしては、ヒロインが美人だったことと、ブルース・ウィリスとフランク・グリロの共演。この2人が出ているというだけである程度楽しめる人には悪くない一作でした。
☆☆
鑑賞日: 2019/10/23 DVD
監督 | ブライアン・A・ミラー |
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脚本 | ブライス・ハモンス |
出演 | フランク・グリロ |
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ブルース・ウィリス | |
オリビア・カルポ | |
ジョナサン・シェック |
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