映画【ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~】感想(ネタバレ)

The Last Recipe
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●こんなお話

 1人の男のためにいろんな大人がお金と時間と労力をかけて気づかせる話。 

●感想

 映画に出てくる料理の数々が美味しそうでお腹の減る映像の数々で料理を作った人たち撮影をした人たちの素晴らしい仕事が堪能できる映画でした。 

 物語はどんな料理でも再現できるという無茶苦茶な能力を持つ主人公が大日本帝国の命令で作られたという伝説のレシピを再現してほしいってんで、満州国でそのレシピを作った男の足跡をたどりながら、しだいに真相が明らかになっていくという構成でした。 

 冒頭からフリーランスで働いていて一品料理を作って、それで何百万と報酬をもらうという無茶苦茶な仕事っぷりをする主人公が凄かったです。しかも借金まみれらしいという。満州に理想を胸に抱いた料理人が奥さんや助手たちと料理を作っていって周囲を感動させていくのを主人公と一緒に勉強していく作りは退屈はせずに見ることができました。 

 ただ伝説のレシピの真相が明らかになるにつれて、どんだけ時間と労力とお金をかけて主人公に気づかせるのを主人公の周囲の人間が行っているのがわかって無茶苦茶さだけが強調されてしまっているようでした。しかも主人公の親族はみんな不幸な出来事に襲われすぎているのも笑いそうになってしまいました。出てくる日本軍もステレオタイプな悪い軍人の描かれ方で面白みはなかったです。しかも天皇の料理に毒を入れて、それを中国人のせいにしてどうしたかったのかとかわからなかったです。 

 料理の数々が美味しいそうなのがよかったですが、料理シーンってよっぽど工夫しないと料理している人以外の周りの人たちはただ突っ立っているだけでリアリティがないんだなと勉強になる映画でした。 

 とはいえ邦画大作らしい教科書みたいな全うに作られた映画でよかったです。 

☆☆

鑑賞日: 2018/08/24 DVD

監督滝田洋二郎 
脚本林民夫 
原作田中経一
出演二宮和也 
西島秀俊 
綾野剛 
宮﨑あおい 
大地康雄 
竹野内豊 
笈田ヨシ 

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