映画【ゴースト・エージェント R.I.P.D.】感想(ネタバレ):ゴースト捜査官コンビが大暴れ!異世界バディアクション

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●こんなお話

 現世に残っている悪霊を退治するため亡くなった警官たちがゴーストエージェントとなって悪霊退治していく話。

●感想

 90分ほどの上映時間の中で、幽霊となった警官が“あの世”の世界で悪霊退治をしていくというファンタジー系アクション映画。主人公は正義感のある警官で、事件現場で発見した金塊を持ち帰ろうか迷いながらも、最終的には正直に届け出ようとする。しかし、相棒がそれを許さずに彼を撃ち殺してしまう。突然命を落とすことになった主人公は、死後すぐに“R.I.P.D.”という幽霊専門の警察組織にスカウトされ、あの世での新たな任務に就くことになる。

 そこで出会うのは、クセのあるベテラン捜査官。彼とのバディ関係が本作の軸になっていくが、やりとりのテンポは良いものの、常に会話が賑やかで、なかなか落ち着く時間がなく、観ているうちに少し疲れてしまうような感覚が残ったのも正直なところです。世界観の設定や展開がシンプルな分、キャラクター同士のやりとりやセリフの密度が高く、テンポよく進むものの、逆にあっという間に情報過多になってしまう印象がありました。

 あの世とこの世をつなぐ「金塊」が物語の鍵となり、それを悪用しようとする悪霊たちと、ゴーストポリスたちとの戦いが展開されます。金塊で霊界と現実世界を繋ぐタワーが建設されようとしており、それを止めるという流れなのですが、全体的に既視感のある展開が多く、新しさよりも懐かしさの方が先に来てしまったのが率直な印象です。

 現実世界での姿が“全くの別人”に見えるという設定も面白いのですが、それが物語の中であまり活かされていない点も少し気になりました。主人公がモデル風の女性に見えたり、ベテラン捜査官が老人に見えたりといったギャップがありつつも、それがストーリーに劇的な変化や展開を与えるわけではなく、設定の面白さに比べて活用しきれていない印象を受けました。ただ、こうした設定が活かされすぎると主演俳優の出番が減ってしまうという難しさもあるのかなと感じながら、つい余計なことを考えてしまいました。

 アクションシーンはテンポ良く挿入されていきますが、主人公たちが幽霊であるため、いわゆる“無敵状態”にあるのが見えてしまい、どうしても緊張感に欠けてしまいます。敵役たちも強敵というよりはややコミカル寄りで、アクションシーンがどこか軽く感じられてしまう部分も否めません。特にクライマックスでは盛大なアクションが展開されるのですが、主人公たちが圧倒的に有利な状況で進んでいくため、ドラマチックな盛り上がりにはやや欠けてしまいました。

 また全体としてはコメディ要素が強く、ユーモアのある演出も多くて楽しめる部分もあったのですが、中盤から後半にかけては主人公の妻が人質に取られるという展開もあり、急にトーンがシリアスになる場面が出てきます。そのため、作品のトーンがやや定まらず、コメディに振り切ってもよかったのではと感じる部分もありました。

 とはいえ、気軽に楽しめるファンタジー系アクションとしては、テンポもよく、目まぐるしく展開が進むので最後まで飽きずに観ることができます。登場人物たちがどこかゆるくて、コミック的なキャラクター造形でまとまっているのも魅力だと思います。

鑑賞日:2014/05/10 Blu-ray

監督ロベルト・シュヴェンケ 
脚本フィル・ヘイ 
マット・マンフレディ 
原作ピーター・M・レンコフ 
出演ジェフ・ブリッジス 
ライアン・レイノルズ 
ケビン・ベーコン 
メアリー=ルイーズ・パーカー 
ステファニー・ショスタク 
ロバート・ネッパー 
ジェームズ・ホン 
マリサ・ミラー 
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