●こんなお話
クエンティン・タランティーノ監督作品を関係者が振り返るドキュメンタリー。
●感想
クエンティン・タランティーノ監督の代表作『レザボア・ドッグス』から『ヘイトフル8』まで、彼の映画に関わったスタッフやキャストたちが、監督との思い出を語っていくドキュメンタリー。出演者や関係者たちの話から、みんながタランティーノを心から尊敬していて、彼の現場をどれだけ楽しんでいたのかがよく伝わってきます。
テレビ番組のエキストラでお金を貯めながら脚本を書き続けるも、なかなか監督をさせてもらえず、自らのアイデアで「密室劇なら低予算でも撮れる」と考え、結果的にデビュー作『レザボア・ドッグス』が誕生。カンヌ国際映画祭にその作品を持ち込んだ当初は街中を普通に歩いていたのに、上映後はスターのような扱いを受け、映画界の巨匠たちに食事に招かれるなど、一夜にして世界が変わったというエピソードが印象的です。
その後も、『パルプ・フィクション』『ジャッキー・ブラウン』『キル・ビル』『イングロリアス・バスターズ』『ジャンゴ 繋がれざる者』『ヘイトフル8』といった各作品について、出演者や撮影関係者が振り返っていきます。タランティーノ作品の撮影現場がどれだけユニークで熱気に満ちていたか、映像を通して伝わってきます。
もちろん、華やかな話ばかりではなく、長年組んでいたプロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインとの決別や、ユマ・サーマンが『キル・ビル』の撮影中に事故に遭ったことも語られます。さらに、長年編集を手がけてきた盟友の女性エディターにも作品は捧げられていて、タランティーノのキャリアに関わってきた人々との深いつながりが描かれていました。
作品としては、タランティーノ映画の舞台裏やメイキング的な側面を幅広く知ることができる内容でファンにはたまらないです。ただ、ややダイジェスト的な構成になっていて、1本1本をじっくり掘り下げてほしかったという気持ちも残ったり。とはいえ、どのエピソードにも監督の情熱と映画愛が満ちていて、観終わるころにはもう一度タランティーノ作品を見返したくなるような魅力にあふれていました。
☆☆☆
鑑賞日:2024/03/28 WOWOW
監督 | タラ・ウッド |
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脚本 | タラ・ウッド |
出演 | ゾーイ・ベル |
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ブルース・ダーン | |
ロバート・フォスター | |
ジェイミー・フォックス | |
サミュエル・L・ジャクソン | |
ジェニファー・ジェイソン・リー | |
ダイアン・クルーガー | |
ルーシー・リュー | |
マイケル・マドセン | |
イーライ・ロス | |
ティム・ロス | |
カート・ラッセル | |
クリストフ・ヴァルツ |