●こんなお話
無法者たちがプレデターと戦う話。
●感想
主人公がスカイダイビングの最中に突然意識を取り戻す、というシーンから始まります。まさに何の説明もなく、いきなり空中に放り出されるような状況に、主人公と観客が一体となって戸惑いと緊張感を味わえる素晴らしい導入でした。そのまま主人公はジャングルへと落下し、程なくして同様にパラシュートで降下してくる複数の人物たちと遭遇。
集まったメンバーは、軍人やマフィア、テロリストといった、一筋縄ではいかない危険人物ばかり。どうやら意図的に「戦闘能力の高い人間たち」がこの場所に集められているらしいということが、徐々に明らかになる。彼らはジャングルを移動しながら、罠によって命を落とした人間を発見したり、謎の獰猛な生物――まるで獣のような犬に襲われたりと、次々に異常事態に巻き込まれていきます。
やがて、彼らは自分たちが地球ではなく“別の惑星”にいるという事実に気づきます。さらに、その惑星にはかねてより滞在していたと思われる一人の人物と出会い、彼が隠れて暮らしていた場所に案内されるのですが、突如としてその人物が騒ぎを起こし、再び状況が混乱。エイリアンによる襲撃を受け、一行は決死の逃走を試みます。
逃走の中で一人また一人と命を落とし、ついには生き残った数名でエイリアンの宇宙船を奪取して脱出を試みることに。しかし、その中の一人、一見温和に見えた医者の男が、実は冷酷なサイコパスだったことが発覚するという、展開もあったり。
終盤では、主人公がエイリアン同士の内部抗争をうまく利用しつつ、ついには一対一でエイリアンと直接対決を果たします。壮絶な一騎討ちの末、主人公がエイリアンの首を切り落として勝利し、「ここから脱出する」と強い意志を表明しておしまい。
冒頭から観客と登場人物の視点を一体化させることで「次に何が起こるのか分からない」という緊張感を継続させる演出は非常に巧みで、物語に引き込む力に満ちておりました。また、各国のアウトローたちが集結して未知の脅威に立ち向かうという設定も、非常にユニークで見ごたえがありました。
ただし、アクション映画として期待される「連続する戦闘シーン」の数はやや少なく、中盤は状況の説明やキャラクターのやり取りが中心となるため、物語としての盛り上がりが感じられるのは終盤に集中している印象でした。その点では展開に緩急が少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれの戦いやキャラクターの駆け引きにはしっかりとした魅力があり、楽しめる1作であったことは間違いありません。
☆☆☆
鑑賞日:2010/11/23 Blu-ray 2024/09/17 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ニムロッド・アーントル |
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脚本 | アレックス・リトヴァク |
マイケル・フィンチ |
出演 | エイドリアン・ブロディ |
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トファー・グレイス | |
アリシー・ブラガ | |
ローレンス・フィッシュバーン | |
ダニー・トレホ | |
ウォルトン・ゴギンズ | |
オレッグ・タクタロフ | |
ルイス・オザワ・チャンチェン | |
キャリー・ジョーンズ |