映画【REX 恐竜物語】感想(ネタバレ):心温まる恐竜ファンタジー|ムー大陸とオカルトが彩る冒険譚

Rex: Kyôryû monogatari
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●こんなお話

 恐竜が現代によみがえって少女と交流して元の世界に戻そうとする話。

●感想

 物語の主人公である少年は、父親と共に北海道の自然豊かな地で生活しています。父親は恐竜の研究者であり、ある日、ムー大陸に関連するとされる謎の石器を発見します。その謎を追うため、一行は調査隊を組み、氷に覆われた洞穴へと向かいます。

 その洞窟の中で、主人公の少年が何かに呼ばれるような感覚を覚え、やがて一人のアイヌの老人と出会います。老人の導きにより、少年たちは洞窟の奥へと進み、そこではまるで神秘体験のように、老人が祈りを捧げて空中に浮かび上がり、忽然と姿を消す。そしてその先で、恐竜の卵を発見するのです。ところが洞窟が崩落を始め、一同は急いで脱出を試みます。

 脱出後、父親はこの恐竜の卵を孵化させることに情熱を注ぎ、テレビ局までもが大きな関心を寄せ、話題性の高さから経済的な利益を目論み始めます。一方、ニューヨークに暮らしていた母親も帰国し、研究に加わるものの、主人公とはすれ違いがあり、親子の関係には距離があります。

 卵の孵化のためにカメの遺伝子を用いた実験も試みられますが、思うような成果は得られません。そんな中、主人公がオカリナを吹くと、奇跡的に卵が孵化し、恐竜の赤ちゃんが誕生します。主人公はこの恐竜を「娘」として大切に育て、ピクニックに出かけたり。

 しかし、テレビ局が恐竜をメディアに利用しようと過度に露出させた結果、恐竜は次第に元気を失っていきます。主人公はその異変に気づき、大人たちに訴えますが、なかなか聞き入れてもらえません。恐竜は他の動物と交流を深めながらも、次第に故郷を恋しがるような素振りを見せ、主人公はついに恐竜を元の場所に返す決意を固めます。

 両親も最終的にはメディアから恐竜を守る決断を下しますが、研究助手が「恐竜の権利は半分自分にある」と主張し、引き渡しを求めます。時間の猶予は「明日まで」。その夜、主人公と恐竜は街を脱走し、追いかけてくる人々やメディアから逃れながら、友人たちの助けを得て山へと向かいます。

 途中、友人がスノーモービルでチェイスを繰り広げ、街の子どもたちが大人たちを雪玉で迎撃するなど、子どもたちの連帯感が光る場面も描かれます。ついにはお手製の熱気球で、再びあの洞穴へとたどり着き、アイヌの老人がかつて隠していたムー大陸の入り口へと恐竜を見送っておしまい。

 終盤の脱出劇や友情の場面はやや冗長に感じられる部分もあり、個人的には没入しづらいシーンもありましたが、恐竜の卵をめぐる洞窟での冒険や、オカルト的な要素に満ちた演出には不思議な魅力があり、作品全体を通じて子どもたちには十分楽しめる内容だと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2024/09/16 YouTube

監督角川春樹 
脚本丸山昇一 
角川春樹 
原作畑正憲 
出演安達祐実 
大竹しのぶ 
渡瀬恒彦 
伊武雅刀 
平田満 
山崎裕太 
佐藤蛾次郎 
塩沢とき 
樹木希林 
常田富士男 
草笛光子 
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